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イスラエル、米と亀裂深まる=首相発言に「報い」―関係修復は不透明
【エルサレム時事】イスラエル総選挙で続投をほぼ確実にしたネタニヤフ首相が、同盟国・米国との関係改善を見込めない状況になっている。首相が米議会でイラン核協議に関する演説をしたことをめぐって既に両国間の亀裂が深まっていた上、選挙戦中に首相が「パレスチナ国家は認めない」との立場を表明したことなどを受け、イスラエルとパレスチナの和平交渉を仲介してきた米国側はイスラエルとの関係「見直し」にも言及した。
◇強硬発言めぐり釈明
選挙戦終盤、自身が率いる右派与党リクードの劣勢が伝えられ、危機感を募らせた首相は、右派層の票固めを図った。地元メディアとのインタビューで、首相に再選された場合、任期中に「パレスチナ国家」の実現を認めないのかとの問いに対し、「その通りだ」と発言。また、フェイスブック上に、人口の約2割を占めるアラブ系イスラエル人を引き合いに出し、「アラブ人が大挙して投票に来ている」と訴える動画を投稿し、右派層の不安をあおった。
なりふり構わぬ「最後の訴え」が奏功し、リクードは圧勝した。だが、オバマ米政権は、選挙戦中の首相のこれらの発言を問題視。首相は選挙直後、米メディアに相次いで出演すると、釈明に追われた。
「私は(将来のパレスチナ国家との)2国家共存による解決を望む」。首相は発言を修正し、イスラエルを「ユダヤ人国家」と認めていないなどとしてパレスチナ側に責任を転嫁。また、イラン核問題をめぐる見解の相違があるものの、「米国にはイスラエルを上回る同盟国はない。イスラエルにも米国を上回る同盟国はない」と述べ、両国間の強い絆を強調した。
23日には、アラブ系イスラエル人との会合で、「私の発言がアラブ系社会の人々を怒らせてしまった。私の本意では決してなかった。申し訳なかった」と謝罪した。
◇拭えぬ不信感
一連の釈明にもかかわらず、米政権のネタニヤフ首相への不信感は拭えないもようだ。オバマ大統領は選挙後、首相との電話会談で、「2国家共存による解決」を支持する米国の方針に変わりがないことを伝えた上で、「首相の新たな立場と発言を受け、わが国の選択肢を再検討する必要がある」と警告。国連安全保障理事会でイスラエルのために行使してきた拒否権の発動を今後控える可能性も示唆した。
マクドノー大統領首席補佐官も23日、「約50年間に及ぶ(イスラエルによる)占領を終わらせなければいけない」と訴え、パレスチナ人に主権国家を持つ権利があると強調。「私たちは(首相の)発言がなかったように振る舞うことはできない」と語った。
イスラエル国内では、かつてないほど悪化した対米関係に危機感が強まっている。ヘブライ大のギデオン・ラハト教授(政治学)は「首相が最初にオバマ大統領を怒らせ、われわれは今その報いを受けている」と話した。