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中国の成金が被害に遭った「雑すぎる骨董詐欺」の顛末が話題

 中国の成金が被害に遭った「雑すぎる骨董詐欺」の顛末が話題

 

  さしずめカネが動くところには必ずネタがある、といったところか。拓殖大学教授の富坂聰氏がレポートする。

  * * *
  盛世的古玩 乱世的黄金――。

  栄える世には骨董品を楽しみ、乱世には金を買う。中国人の生き方を表す言葉として頻繁に耳にする言葉だが、現在の状況は、まさに金満家が金に糸目を付けずに骨董品のコレクションに夢中になっている中国だ。

  骨董品に向けられた中国の成金たちの熱いエネルギーは、当初日本では1970年代末から1990年代にかけて二束三文で買い取られていった中国の有名な書家の作や水墨画を買い戻すことに向けられていたが、その後、国内の不動産価格が頭打ちになったことも手伝い有望な投資先を求めて赤サンゴや南部鉄器、そして不動産へと向かったのだった。

  これと並行して世界ではボルドーワインが異常な高騰を見せるなどチャイナマネーの凄まじい勢いを知らしめる現象を数々生んできたのだったが、中国国内でも堅調にマーケットを膨らませてきた。

  そんななか、いかにも中国らしいという事件が南京市で発覚して話題となった。

  事件は骨董をめぐる詐欺事件であり、よくあるといえばよくある事件だったが、話題になったのはその〝雑さ〟だった。

  被害者の王さんは、骨董収集の中級者であった。昨年末王さんは骨董品店で好みの磁器を見つけた。一目で気に入ったが値段は7万元(約133万円)と高価なため、数人の友人を連れて店に行き見てもらうことにしたのだった。友人たちの反応が良かったことで王さんは購入を決意。値切った後に6万元(約114万円)で購入したのだった。

  その数日後、自慢の品を別の友人に見せたところ友人が磁器の裏側に文字があることを発見。王さんはにわかに色めき立った。というのも骨董界では「文字があれば宝」という言葉があるからだ。

  王さんはすぐにしかるべき機関に鑑定を依頼したのだったが、帰って来た返事を見て王さんは愕然となった。そこには、「電子レンジ使用可」と書いてあった。『揚子晩報』が伝えたニュースである。

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