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多難のトルコ、「地域の希望の星」ではない
(写真:fpd2010 / Imasia)
2015年、トルコは10回目を迎えるG20首脳会合の開催国となる。数奇な巡り合わせで、トルコ自身の不安定さが拡大する中で、世界の舞台で際立つ機会がやってくる。
現在トルコ周辺では2つの地政学的秩序が破綻している。ロシアとの冷戦後の協調、および1916年のサイクス・ピコ協定と19年のベルサイユ条約で定められた中東地域の国境だ。EU(欧州連合)とトルコがお互いをこれほど必要としたことはかつてないが、これほど距離を置くようになったこともほとんどない。
■トルコは「地域の希望の星」ではない
トルコはもはや、エルドアン首相の12年におよぶ政権の前半のような「地域の希望の星」ではない。今日、トルコは無数の課題に直面している。
独裁政治の進展、見栄えのしない経済成長、よろめくクルド和平プロセス。国境が900キロメートルにわたってシリアに接しているため、200万人近いシリア難民を受け入れており、「イスラム国」からの攻撃や侵入に対して脆弱だ。イランおよびイスラエルの双方との緊張は深く定着してしまい、報復主義のロシアへのエネルギー依存がますます高まってきている。
トルコ単独でこれらの困難に立ち向かうことはできない。EU向けがトルコの貿易のほぼ40%、外国直接投資の70%、そして旅行産業の50%以上を占めている。同時に、南側の周辺諸国との経済的結び付きは2011年のアラブの春以降徐々に弱まっている。
トルコの世論でもEUへの支持率は09年の34%から昨年の53%へと上昇した。昨年秋にボズクルEU担当相によって発表されたトルコの“EU戦略”は、この事実を暗に認めた
続きは東洋経済オンラインにて