＜チリ＞北部乾燥地帯で８０年ぶり大雨 洪水で７人死亡

　

　【サンパウロ朴鐘珠】南米チリの報道によると、同国北部の乾燥地帯で今週、８０年ぶりの大雨が降り洪水が発生、土石流や感電などで７人が死亡し１９人が行方不明となった。チリ政府は非常事態を宣言し、道路が遮断された被災地の避難民をヘリコプターで救助している。
　
　　チリの気象当局によると、アタカマ州とアントファガスタ州で２４〜２６日、４８時間雨量にして最大約８０ミリの雨が降った。一帯の年平均の総雨量は多いところでも２０〜３０ミリ程度で、南北１０００キロにわたり砂漠が広がる。
　
　　今回は寒冷前線がアンデス山脈にぶつかり雨を降らせた。気温が例年より高かったため、普段なら雪になる水分が雨に変わったとみられる。また一帯は乾燥により樹木の生育が悪く、土壌に保水力がない。そのため山に降り注いだ雨が短時間に枯れ川に流れ込んで氾濫し、住宅地が冠水する事態に陥った。