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<北朝鮮>事故発生を警戒 党創立70周年で建設ラッシュ
【北京・西岡省二】北朝鮮で朝鮮労働党創立70周年記念日(10月10日)に向けた建設事業が進む中、党指導部が事故発生を警戒している。昨年、建設現場などで重大事故が頻発したためで「外国で誇大に報道され、我々式社会主義制度のイメージを汚す」と危機感を募らせている。事故防止には労働者の待遇改善と管理強化、エネルギー供給が不可欠なため、北朝鮮は中国など周辺国との関係改善を加速させたい考えだ。
金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は1月の新年の辞で「(70周年を記念して)建設部門で朝鮮速度創造の熱風を高潮させ、発電所と工場、教育・文化施設と住宅を労働党時代の記念碑的創造物として建設すべきだ」と指示。これを受け、国内では各種建設事業が急ピッチで進められ、金第1書記も活発に現地指導している。
今年初めに入手した党の内部資料によると、北朝鮮では昨年、建設事故や火災、交通事故などが頻繁に発生し「大きな人的及び物質的な被害をもたらしている」と指摘。建設現場の事例では、手抜き工事▽無許可建設▽完工点検が済んでいないのに住民を入居させている−−などが挙げられている。
北朝鮮では昨年5月、平壌の建設現場で高層住宅の崩壊事故が起きた。資料は「いったん事故が起きると民心が乱れ、一心団結に障害を与える」と強調。「我々式の社会主義制度のイメージを曇らせ、我が共和国を圧殺しようと血眼になって暴れている敵に、でたらめなことが言えるような言質を与えることになる」と危惧している。
北朝鮮では「速度戦」のスローガンの下に早期の目標達成が求められ、突貫工事も常態化。「学生ら素人が朝から晩まで働かされている」と、心配する住民もいる。
北朝鮮指導部に近い関係者は「今年は党創立70周年で盛大に軍事パレードを挙行しなければならない。815(祖国解放70周年)の行事も非常に重要だ。だが、何億ドルもの資金が必要だが、それが現時点ではまかなえない」と指摘。「中国などから支援を受けるためにも、当面は挑発行為は自重するのではないか」と見通す。
北朝鮮は最近、中国との関係改善を模索し、中国側も故金日成(キムイルソン)国家主席の生誕記念日(4月15日)に合わせた高官派遣を検討しているとみられる。