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<IS>「恐怖の支配」を確立…処刑の執行を「踏み絵」に
◇「もう誰も殺したくない」トルコへ脱出した元戦闘員
シリアの反体制派勢力が2013年3月に北部の主要都市ラッカを制圧してから2年。同地を「首都」として、テロの脅威を世界に拡散するイスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)が、残酷な処刑の執行を「踏み絵」に戦闘員の忠誠心を試すなど、組織内部でも「恐怖の支配」を確立していることが、ラッカ出身の元戦闘員への取材で明らかになった。子供に対する無慈悲な処刑を迫られ、精神を病むメンバーも出ているという。【シャンルウルファ(トルコ南東部)で大治朋子】
アブウサマと名乗る男性(26)はトルコ南東部シャンルウルファ郊外のアパートの一室で取材に応じた。「ISの手はトルコにも及んでいる」と語り、部屋の窓に新聞で目張りをしていた。携帯電話には、シリアで活動していたIS時代の写真が残されていた。ラッカの学校関係者のつてで探し当てた男性の証言は客観的で、確認可能な諸情報とも符合していた。
13年春。ラッカでアサド政権の支配が崩れ、ISら反体制派組織が割拠した。「どの組織も政権の打倒だけを目標としていて、その後のビジョンはなかった。だが、ISにはイスラム国家の建設という明確な目標があり、未来を感じた」。男性は13年6月、ISの戦闘員になった。
固定給はなく、戦闘に勝つたびに報酬を得た。14年春、東部で国際テロ組織アルカイダ系ヌスラ戦線を撃破した際には600ドル(約7万2000円)、シリア軍との別の戦いでは4日間で1500ドルを手にした。主要産業の農家の月収が250ドルというラッカでは、大きな収入だった。
ISでは外国人の処刑とは別に市民の処刑も日常的に行っている。戦闘員らに希望を募り、「犯罪者を処刑したい」と書いた紙にサインさせ、登録する。「志願しなければ忠誠心を疑われる。当日まで誰を殺すのかは分からない」。ISは、不信心者を殺せば天国に行けると説いている。
男性も登録し、14年初め、親欧米の反体制派武装組織「自由シリア軍」の「スパイ」とされた32歳の男性を銃殺した。「後悔はしていない。自由シリア軍は武器を密輸するなど腐敗しているからだ」
だが、処刑は未成年者にも及んだ。昨年初夏、戦闘員の友人が「神を汚す言葉を口にした」14歳の少年を処刑した。傍らで号泣する母親。外国人戦闘員らの子供は棒で遺体をたたいたり、つついたりした。…