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平和に感謝 糸満応援…沖縄戦時の島田知事母校兵庫高生

 平和に感謝 糸満応援…沖縄戦時の島田知事母校兵庫高生

 25日の選抜高校野球大会に登場した糸満の地元・沖縄県糸満市は、70年前の沖縄戦で、当時の島田叡(あきら)知事が消息を絶った地。アルプス席には、島田元知事の母校・兵庫高(旧制神戸二中)の野球部員約40人も応援に駆けつけ、両校の部員たちは、平和の尊さと野球ができる喜びをかみしめた。

  島田元知事は1945年1月、沖縄に官選知事として赴任。同年6月に消息を絶つまで住民の疎開などに尽力し、今も県民から「島守(しまもり)」と慕われている。神戸二中、東京帝大(現東大)時代は俊足巧打の選手として活躍し、沖縄県の高校野球新人戦優勝校には、元知事の名を冠した「島田杯」が贈られている。

  糸満の上原忠監督(52)の母は沖縄戦で両親、きょうだいを失っており、監督は「戦後70年の節目での出場。子どもたちが、平和や命の大切さについて考える絶好のタイミング」と考え、今月中旬、島田元知事の碑がある兵庫高を訪問したり、練習試合を行ったりした。

  この日、糸満は天理(奈良)に敗れたものの、中盤まで接戦を演じ、後半も粘りを見せた。兵庫高の滝下征宜(せいぎ)主将(17)は「糸満高の選手と交流し、当たり前に野球ができるのは平和だからだと改めて感じた。この縁を大切にしたい」と話した。

  試合後、上原監督は「子どもたちには島田さんのように野球を通じて人間性を高めていってほしい」と言い、比嘉海斗選手(17)は「島田さんのおかげで祖父母が生き残ってくれ、自分がこうして甲子園でプレーできた。夏には必ず戻ってきて、島田さんに勝利をプレゼントし、校歌を歌いたい」と誓っていた。

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