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灰外達夫さん死去 努力の人、別れ惜しむ
人間国宝の木工芸作家・灰外達夫さん(享年74歳)(金沢市牧町)の訃報が明らかとなり、在りし日の灰外さんを知る関係者らは21日、読売新聞の取材に、「独力で努力を重ねていた」「新たな作品が楽しみだった」などと別れを惜しんだ。
灰外さんは1941年に珠洲市に生まれ、同市内の建具店で修業後、金沢市で建具店を開業。30歳代半ばから、木工作品の創作活動を始めた。木の板に切れ目を入れて丸みを帯びた形状に仕上げる技術「挽曲(ひきまげ)」は高く評価され、2008年に紫綬褒章を受章し、12年には人間国宝に認定された。
灰外さんは14日、北陸新幹線開業を祝うセレモニーに参加したが、その夜に脳内出血で倒れた。新幹線開業を機に改修されたJR金沢駅構内の柱には、太陽に照らされた雪吊りを表現した木のプレートが飾られており、これが灰外さんの最後の作品になった。
長女で、木工芸作家の中野由美子さん(40)は20年以上、同じ仕事場で弟子として過ごした。「アドバイスはほとんどなかった。『数多く作って、とにかく技術を手に覚えさせろ』と教えられた」と振り返る。灰外さんは数年先まで仕事の注文が入っていた中で同駅のプレート制作に臨んでいたといい、中野さんは「図案をいくつも紙に書いて試行錯誤していた。常に挑戦していた」と、父であり師匠でもある灰外さんをしのんだ。
30年近く灰外さんと親交がある県立美術館の嶋崎丞(すすむ)館長は「シンプルに素材を生かし、清楚(せいそ)で美しい作風。創作の努力を重ねていた」と仕事ぶりをたたえ、「今後、石川の木工技術の新たな展開を見せてもらえると楽しみにしていたのに」と残念そうに話した。