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犀星賞生涯の思い出に
おちつかなさん喜び語る
第4回室生犀星文学賞の表彰式が26日、金沢市の雨宝院で開かれ、短編小説「父の勲章」で同賞に輝いた東京都世田谷区、会社役員おちつかなさん(60)が「犀星の命日(26日)に文学賞をいただき、生涯の思い出になる」と喜びを語った。
雨宝院で表彰式
- 大野北陸支社長から表彰されるおちつかなさん(右)(26日、金沢市千日町の雨宝院で)=細野登撮影
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作品は、父の葬儀で古里へ戻った塾講師の男性が、生前に黙々と保護司の務めを果たした父の足跡をたどり、生きる意味を見いだす姿を描いた。
表彰式で読売新聞北陸支社の大野茂利支社長は「淡々とした文体にひきこまれる作品。これからも味わいのある作品を書いてください」とあいさつし、正賞の九谷焼の文鎮と副賞50万円の目録を贈呈した。
おちつかなさんは野々市市出身。「父の勲章」は、自身の体験をもとに書いた私小説で、「父のことを思い出しながら少しずつ筆を進めた。違うストーリーでいくつか作品を書いたが、受賞作が父を一番描けた」と振り返った。
北陸新幹線開業にも触れ、「私の作品は東京と金沢の距離があることを前提に書かれており、2時間半で結ばれるようになると成立しない。(新幹線開業前の)今回の犀星文学賞が私の作品にとって最後の光だった。本当にありがとうございました」と話した。金沢には飛行機で来たが、27日には、初めて北陸新幹線に乗って東京へ帰るという。
◇
受賞作「父の勲章」の全文はヨミウリオンライン「北陸発」のページに掲載されている。
モレシャンさん仏語で詩を朗読
室生犀星文学賞の表彰式後に開かれた祝賀会では、犀星の孫で室生犀星記念館の名誉館長を務める室生洲々子さんが、犀星の詩「切なき思ひぞ知る」を朗読した。その後、金沢市在住のエッセイスト、フランソワーズ・モレシャンさんがフランス語に翻訳して詩を朗読し、会場を沸かせた。
このほか、市内の男声合唱団「金沢メンネルコール」のメンバーが「ふるさと」を合唱するなどし、祝賀ムードを盛り上げた。
- 犀星の詩を朗読する室生洲々子さん
- 詩をフランス語で朗読するモレシャンさん
選考委員
どんでん返し鮮やか
作家 加賀乙彦さん
- 加賀乙彦さん
文体が淡々として特徴がなく、最初読んだ時はあまりひかれなかった。後日読み直したら、落ち着いた筆致に驚いた。短編は難しく、決まった分量でぴたっと収まる作品は少ない。受賞作は無駄な部分をそぎ落とし、最後のどんでん返しを鮮やかに描けている。
金沢の記憶立ち上る
作家 中沢けいさん
- 中沢けいさん
最初は硬い文章だが、物語が進むにつれて少しずつほぐれていく。主人公が、父の臨終をみとり、回想のなかで父の素顔に触れながら感情が和らいでいく様子が、文体を通して表れている。作品を読み、昔訪れた金沢の古い記憶が立ち上ってきた。
【主催】読売新聞北陸支社
【共催】金城学園
【後援】石川県、金沢市、テレビ金沢、中央公論新社、報知新聞社
【協賛】北陸カード、玉田工業、JR西日本、モバイルコムネット、福光屋、内外薬品
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- 中沢けいさん
- 加賀乙彦さん