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バツイチになる? 婚姻届を提出した当日に離婚することは可能か
【相談者:20代女性】
2人で婚姻届を提出した帰り、ひょんなことから彼の昔の浮気が発覚し、ケンカになってしまいました。きっかけはほんの小さなことだったのですが、ケンカはヒートアップ! 勢いで離婚する話に。 ちょうど役所の近くでお茶をしていたので、このまま離婚届けを出しに行くぞということになりました。わたしは、その浮気を許せなかったし、彼も、過去の浮気でこれだけヒステリーを起こす私と結婚して暮らしていく自信がなくなったとのことでした。
2人の合意があれば婚姻届を出したその日に離婚することは可能ですか。婚姻届を出した当日でもやはりバツはついちゃうのでしょうか。
●A. 当日の離婚も可能ですが、婚姻届が受理された後であれば離婚歴がつきます。
ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。
婚姻届を出した当日に離婚とは穏やかではないですね。芸能人や有名人の“スピード離婚”のニュースはよく耳にしますが、さすがに婚姻届を出したその日に離婚をしたというニュースは聞いたことはありませんよね。でも実際、その日に離婚することはできるのでしょうか?
結論から言いますと、当日でも離婚することはできます。ただ、婚姻をなかったことにするのは難しいですね。
●婚姻届が受理される前なら取り下げは可能!?
結婚も離婚も、双方の合意があればできます。法律には、結婚した日の離婚を禁じる規定もないので、婚姻届を出した当日に離婚することも可能です。ただし、戸籍には結婚と離婚の記録は残ってしまい、いわゆるバツイチになってしまいますので、婚姻届の取下げができないか確認してから離婚届の提出をした方がいいでしょう。
婚姻届や離婚届は、市町村長が“受理”することによって、効力が生じます。婚姻届の提出を受けた場合、役所としては、下記の法律が定める要件を満たしているか確認して、受理するということになっているんですね。
(1)男性が18歳以上、女性が16歳以上か
(2)重婚ではないか
(3)再婚禁止期間を経過しているか
(4)近親者ではないか
(5)未成年者であれば父母の同意があるか
ですので、婚姻届を提出したけれども、まだ受理されていないということであれば、役所の方にお願いして、婚姻届の取下げをしてもらうことができる場合もあります。
ただし、一般的には、窓口担当者が受付をした場合は、受付とほぼ同時に窓口の奥にいる担当者が書面の審査をし、問題がなければ“受理決定”ということになるので、基本的には提出した以上、取り下げはできないと考えた方がよいでしょう。
●婚姻の無効って? 取消しって?
このように、原則として一度“受理”されてしまった婚姻届については、無かったことにできませんが、法律上の例外として『婚姻の無効』と『婚姻の取消し』が認められています。
しかし、婚姻の無効は、「結婚するつもりなんて全然なかったのに、勝手に婚姻届を出されてしまった!」など、一方に婚姻の意思がなかった場合を想定しているので、提出した時点では結婚する意思があったという今回のケースでは、婚姻の無効とはなりません。
また、婚姻の取消しは、婚姻届を受理する際に確認すべき、上記の(1)~(5)の要件を満たしていないにもかかわらず誤って受理されてしまった場合と、詐欺や強迫によって結婚させられた場合にのみ認められています。
今回のケースでは、詐欺によって婚姻したと主張したいところではありますが、浮気していたことを隠していただけでは詐欺とは言えないので、詐欺だと主張して婚姻を取り消すことはできません。
ちなみに、婚姻の無効も取消しも家庭裁判所に訴えを提起する必要があるので、そうそう簡単に認められることはありません。
●離婚届を出す前に冷静に話し合いましょう
離婚自体はできますが、大事なことを今日決めて、今日実行するというのはおススメできません。それまでの2人の歴史もあるでしょうし、お互い冷静になって、きちんと話し合いをした方がよさそうですね。
●ライター/島田さくら(弁護士)