雇用、所得の格差是正を＝１５年度予算案で公聴会－参院

　

　 参院予算委員会の公聴会に公述人として出席した日大の川出真清准教授（左）と東大社会科学研究所の大沢真理教授＝２６日、国会内

　 　参院予算委員会は２６日午後も、２０１５年度予算案の採決の前提となる公聴会を続行した。出席した有識者からは、財政健全化への取り組み強化や、雇用や所得の格差是正に向けた政策の推進を求める声が出た。　
　　日大の川出真清准教授は「中長期的な財政再建への道筋が明確でなく、構造的な取り組みが必要だ」と強調。具体策として、高所得者への課税を強化すべきだと訴えた。
　　東大社会科学研究所の大沢真理教授は「（雇用の）急速な非正規化を背景に、働く人の中で賃金格差が拡大している」と述べた。その上で「雇用形態や性による差別を禁止する実効性のある法律が必要だ」と主張した。
　　一方、政府が進める「地方創生」の質疑では、茨城県常陸大宮市の三次真一郎市長が、自治体が発行する「プレミアム付き商品券」などへの助成を行う交付金について「（対象事業に）融通が利くようにしてもらいたい」と注文。地方自治総合研究所の辻山幸宣所長は「国主導の地域づくりはうまくいくのか心配している」と持論を展開した。