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イベント専用ダイヤ、中線停車、C58乗車……と魅力満載
19日、西武鉄道にミステリートレインが走った。ミステリートレインというだけあって、前情報は途中で秩父鉄道のSL列車「パレオエクスプレス」に乗れる、というだけで行き先不明。そんなミステリアスな1DAYトリップの様子をここではお伝えしていこう。
まずは、西武鉄道が打ち出すミステリー列車企画「西武線ミステリートレインで行く、秩父鉄道パレオエクスプレスの旅」の概要を記しておこう。「西武線ミステリートレイン」は、西武鉄道のホームページなどで以下のように公募されていた。
日程: 2008年8月19日(火)
募集人員: 各250人(2行路運転)合計500人
集合場所:
Aコース西所沢駅7時20分(ミステリー1号西所沢発7時35分)
Bコース西武園駅9時35分(ミステリー2号西武園発9時50分)
旅行代金: 大人3,300円、小児2,000円(A・Bコース共に西武鉄道・秩父鉄道のイベント電車の運賃・料金および諸税含む)
明かされていたのは以上の情報だけ。記者は、Bコースの西武園駅発車の行き先不明列車に乗り込むことにした。当日の9時過ぎ、西武園駅1番線、臨時ホームに入ってきたミステリー列車は、4000系電車4両編成だった。秩父方面へ向かうのだから、まさか池袋・新宿で活躍する通勤型電車が来るわけはないだろうとは予想していたが、同社自慢の”登山系”セミクロスシート車が西武園駅に入線するのも、かなりサプライズだ。さらにもうひとつ参加者を唸らせる話題がある。実はこのミステリー列車のダイヤ、西武鉄道がこのイベントのために新規で引いたもので、2本の往路・復路ともに”西武オリジナル”だというのだ。
出発前の「ミステリー2号」。4000系クロスシート車4両編成が、西武園駅で乗客を迎え入れる。停車ホームは1番線臨時ホーム
添乗スタッフとして動き回る同社社員を呼び止め、持っていたダイヤ表をチラリと見ると、鉛筆で描かれた”臨時ダイヤ”が1本走っていた。ちなみに、秩父鉄道線内のSL列車「パレオエクスプレス」は定期便ダイヤ。というわけで、このレポートでは、「西武線ミステリー」の魅力がいっぱい詰まった往路にクローズアップする。最後には、ミステリー1号2号の2列車のダイヤが付いてますよ! こちらもあわせてお楽しみに。
まずは、勝手にルート予想
さて、満席の4000系「ミステリートレイン」は9時53分に西武園を発つと、最初の駅である東村山ですぐさま秩父へと方向を変える。最初のスイッチバック(方向転換)で、乗務員交代が行われている。記者は、夏真っ盛り緑隆々の秩父へ向けて走る行き先不明の電車の中で、西武鉄道の路線図を描き、その往路ルートをある程度予想した。おそらく鉄道好きな人であれば、同じように描くのではないだろうか……。
記者が想像した往路ルートの概略。実際にこの通りに走って行った。西武鉄道線内だけでもスイッチバック運転が東村山・所沢・飯能・西武秩父と4カ所もある
ルートはだいたい見当がつくとしても、停車駅などでの西武鉄道の演出は、想定外で驚くようなものもあった。東村山から新宿線を伝って所沢へ。所沢から池袋線に入り飯能を目指す途中の仏子(ぶし)駅でのサプライズもそのひとつだ。仏子に停車すると、「みなさん、外をご覧ください」というアナウンス。左右の車窓を眺めると、ホームが……ない!! 上りと下りの線路の間にある”中線(なかせん)”という線路に列車は止まっている。「こんなところでドアが開いたら大変だ」と思うが、SL列車に乗り換えるまでドアの開閉はない。ホッとひと安心。
仏子駅でサプライズ停車。中線(なかせん)という回送電車の退避などで使用する線路にとまった。両脇にホームはなく、ドアの開閉ももちろんない
いつもは通勤型のロングシートで眺める車窓も、クロスシートだと違う眺めに…。子供は額をガラス窓にくっつけて離れない
マニアックで粋な西武の”停車駅パフォーマンス”は、末尾のダイヤ表で確認していただくことにして、ちょっと車内の様子をお伝えするとしよう。今回、親子で参加する乗客が大半を占めていて、夏休みの宿題の材料にでもするのか、メモ帳を片手に車内を歩く子供たちの姿もあった。中には3世代で乗る大家族も。そして飯能を過ぎたあたりで、西武鉄道・秩父鉄道のオリジナル・グッズがプレゼントされるゲームが始まり、車内は大盛り上がりとなった。
いよいよ山岳路線へと入っていく。飯能を過ぎると荒川水系の一級河川である高麗川が寄り添ってくる。せせらぎの冷たさが伝わってきそうだ
飯能を過ぎると、景色は一変。住宅地から秩父への山岳風景へ変わる。正丸峠へ向けて、山を登り始めると、今ではだいぶ聞かれなくなったいわゆる昔の電車のモーター音が床下から響きだし、タタンタタンというレールのつなぎ目を拾う”ジョイント音”が心地よく聞こえ出す。ドップラー効果で鳴る踏み切り音。窓を開けると森の香りが……。駅弁とお酒ばかりに集中せず、鉄道の旅は感覚を研ぎ澄ませていると、今まで見えなかった、感じなかったものに気付くことができる。これも鉄道の旅の醍醐味だと思う。さらには必需品として地図を挙げておきたい。地図を見て「いまここを走ってるんだ」と確認しつつ、車窓から見える景色と地図の地形を照らし合わせながら見るのも面白い。
コレ、大事! 鉄道旅行の際には、地図を持参することをおススメする
鉄道大好き”マルコメ・トリオ”。ミステリートレインの旅を楽しんでいた様子