ビジネスに活かせるホテル術

　

　今年2月、日本国内にある8カ所のヒルトンとコンラッドが、有料会員制プログラム「ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン」(以下、HPCJ)のサービスをスタートさせた。景気に左右されやすいホテル業界だけでなく、あらゆるサービス業が必死に不況と闘っている中、「HPCJ」は従来のサービスや他のホテルといったい何が違うのか。本サービスの担当者であるヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン・マネージャーの小谷智子さんに話をうかがった。

　――まずはHPCJの立ち上げ経緯からお聞かせ下さい。

　ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン・マネージャー 小谷智子さん

　小谷「もともと宿泊のディスカウントを中心とした『ヒルトン・プレミアムクラブ』という有料会員サービスがオーストラリアやニュージーランドで支持されておりまして、日本でも同様のサービスをぜひ導入したい、というところからスタートしました」

　――HPCJの一番のセールスポイントは何でしょうか?

　小谷「他にはない『分かりやすさ』です。お正月でも、ゴールデンウィークでも、お盆でも、クリスマスでも、いかなる時でも割引の対象になるというのは、サービスを利用するお客様の立場に立った場合、非常に分かりやすく魅力的ではないでしょうか。また、ポイントを貯めてから使うマイレージ系のサービスとは違い、会員になったその日から利用できる『即効性』もセールスポイントのひとつです」

　確かに、派手なディスカウント率やサービスで目を引いても、いざ利用となると細かい適応料金や対象除外日などが設定されていたりして、とたんに興ざめすることはよくあることだ。そんなストレスを取り除き、快適な利用をスピーディーに提供する、それこそが「HPCJ」が目指した”サービスの原点”といえる。

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　「ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン」の特長

　・宿泊とレストラン利用が20%割引(宿泊しない場合のレストラン利用は10%割引)
　・割引除外日の設定なし
　・ヒルトンのオフィシャルウェブサイト、ヒルトン・リザベーションズ&カスタマー・ケア、ホテルで予約できる一般に公表されているすべての宿泊料金で割引可(ヒルトン・ワールドワイドの大型割引キャンペーン料金は対象外)
　・国内全てのコンラッドホテルとヒルトンホテルで利用可能
　・年会費25,000円/入会金なし
　(2010年4月29日までは、Web限定で、年会費が20,000円になるキャンペーン実施中)
　・10,000円の割引券 ※有効期限1年

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　小谷「本来、こういったサービスは外部委託するケースが多いのですが、『HPCJ』はシステムの立ち上げからデータベースの管理、運営まで、すべて私どもヒルトンが行っております。よって、サービス内容の修正やカスタマイズが迅速に行えるというメリットがあります。現時点では、私の知る限り他のホテルグループにはない独自のサービスだと自負しております」

　HPCJの会員カード

　サービスの基本でもある「分かりやすさ」「即効性」をヒルトン一丸となって前面に打ち出した「HPCJ」。はたしてホテルサービスの新しい潮流となるのだろうか。…つづきを読む