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知らないと損する本格的アメリカ旅行術 (8) モニュメント・バレーの小さな見所たちを見に行こう

知らないと損する本格的アメリカ旅行術 (8) モニュメント・バレーの小さな見所たちを見に行こう 

 こんにちは。今回は前回のモニュメント・バレー周辺の小さな見所をいくつかご紹介します。私たちもモニュメント・バレーに2泊し、1日で3つをまわって来ました。モニュメント・バレーに数日滞在される方は、ぜひちょっと足を伸ばして寄ってみてください。

フォー・コーナーズでナバホ・タコス&ブレッドを味わう

 アメリカには50の州がある。しかし、4つの州が交わるのはたった1カ所。そこがフォー・コーナーズ(Four Corners)と呼ばれる場所だ。4つの州はグランド・キャニオンのあるアリゾナ州、モニュメント・バレーのあるユタ州、世界遺産にも指定されているメサ・ベルデ国立公園のあるコロラド州、そして私たちが一番好きな場所、ホワイトサンズ・ナショナル・モニュメントがあるニューメキシコ州となっている。

 フォー・コーナーズは、モニュメント・バレーから東に約2時間ドライブしたところにある。私たちもモニュメント・バレーを拠点にして訪れたのだが、そこまでの道はとてものどかで、とにかく何もなかった。前も後ろも右も左も砂漠か畑。ずっとそんな道だった。途中「たくさんの農場」という意味の「Many Farms」という町を通り、私たちは大ウケ。

 そんな何もない道を抜け、たどり着いたフォー・コーナーズは、私たちの想像とは少し違った。4つの州が交わっているのがアメリカでここだけなので、すごい建物が建っていて、観光客もわんさか、と思いきや全くそうではなかったのだ。ピンポイントの場所には、4つの州の名前が刻まれてプレートもあり、旗も立っていたが、ビジターセンターはなかったし、観光客もそんなに居なかった。一応、4つの州にまたがって写真を撮っている人がちらちらいた程度。写真を撮るには便利だったが、ちょっぴりがっかりしたのも確か。

 ちょうど4州が交わるところにはめられているプレート

 アメリカの旗と4州の旗が立っている。この日はかなり風が強かった

 このフォー・コーナーズもモニュメント・バレーと同じ、ナバホ・ネイションの中にある。そこで、私たちは「ナバホ・タコス」と「ナバホ・ブレッド」を発見。聞いたことはあったが、見たのは初めてだったので、両方とも食べてみた。タコスもブレッドもベースは同じ、揚げパン。その上に、タコスはレタスと豆、チーズなどのタコスの材料がのっていて、ブレッドの方は甘いもの(ジャムや砂糖、ハチミツなど)がのっている。タコスは、辛くなく、薄い塩味という感じで、素材の味がして美味しかった。ブレッドはというと、アメリカのどこにでもあるような、あまーいお菓子という感じだった。

 ナバホ・タコス。シンプルなのに薄味で美味しい

 ナバホ・タコス。シュガーをかけてもらいました

メキシカン・ハットは、人生を大きく変えた場所

 メキシカン・ハットは、モニュメント・バレーからUS163を約15分行ったところにあるメキシコ人がかぶっているような帽子の形をした岩をいう。このメキシカン・ハットとモニュメント・バレーの間に、前回のコラムでも写真入りで紹介した、映画に良く出てくる場所がある。モニュメント・バレーから来た場合、メキシカン・ハットは、右手に見えてくるのですぐに分かるだろう。US163からは未舗装道路を約5分走ると岩の真下まで行くことができる。

 US163沿いから見たメキシカン・ハット

 私たちは、2002年7月にこの周辺のカウボーイキャンプに1日泊まり、その時、このメキシカン・ハットの周りを4時間ほど馬で探索したことがある。さまざまな角度から見るメキシカン・ハットは、いろいろな顔を見せてくれるので、かなり面白かった。そのカウボーイキャンプでの体験は、私たちのその後の人生に大きく影響を与えた。

 彼らの家は、サン・ファン・リバー沿いに立てられた平屋に住んでいて、私たちが泊まったのは、その敷地内にあるネイティブアメリカン伝統の土の家。「プールがある」と言って連れて行かれたのは、裏の汚いサン・ファン・リバーで、馬も一緒のところだった。ちなみに、そこのキャンプに滞在中、手を洗う水も顔を洗う水も、その川から汲んできて濁ったものだった。彼らは、日の入りと共に寝て、日の出と共に起きる、昔ながらの生活をしていたし、家に部屋があるにもかかわらず、暑いからと涼しいトラックの荷台で星空を見ながら寝ていた。少し行けば、舗装された道路も、スーパーもある。そんな中で、文明とは少し離れたこの生活を見たとき、私たちは非常に衝撃を受け、「自分が生きたいように生きる。それが一番なんだ」と強く感じた。アメリカに滞在した5年間で、私たちの人生や価値観を大きく変える人達に2回出会ったが、これがその1つなのだ。

こんな蛇行、見たことない! グースネック州立公園

 グースネック州立公園は、メキシカン・ハットから約15分。州立公園と言っても大規模なものではなく1カ所のみが見所。サン・ファン・リバーが大きく蛇行する様子を見ることができる展望台があり、自然の素晴らしさを体感できる。遠くにはモニュメント・バレーのビュートも見ることができ、結構面白い。入場は無料で、モニュメント・バレーからも30分ほどなので、ぜひ行ってみよう。

 モニュメント・バレーから2時間ほど西のホース・シュー・ベンド、約4時間北のデッド・ホース・ポイント州立公園も同じような川の蛇行が見える場所。3つそれぞれに特徴があるので、見比べてみるといいだろう。ちなみに私が好きなのはホース・シュー・ベンド。なぜなら3つの中で一番ビューがダイナミックで川の色も緑で濃いからだ。

 グースネック。こんな風に蛇行するなんて、自然にできたものはすごい!

 さて、次回はモニュメント・バレーから少し南に下りて、キャニオン・デ・シェイ・ナショナルモニュメントに向かいます。3月に初めて行ったのですが、お気に入りの1つの場所となりました。お楽しみに~。

 (写真:フォトアーティスト飯富崇生)

芦刈いづみのミニコラム:それぞれの川を比べてみると……私たちはいくつかのアメリカの川で泳いだり、遊んだりしたことがある。今回話題に出てきたサン・ファン・リバーは、赤土だらけで、とても汚く、水着がすごく臭くなった。コロラドリバーも同様に赤土で結構汚い。逆にとても綺麗だったのは、一度ラフティングをしたアーカンサス・リバーだ。水はとても澄んでいて、冷たく、気持ちが良かった。ちなみに、アメリカで2番目に大きいダム湖であるレイク・パウエルは、汚くはなかったが、水の流れがないので、結構臭い。

 

アクセス情報モニュメント・バレーまでの最寄りの国際空港ラスベガスマッキャラン国際空港または、フェニックス国際空港いずれも直行便はないので、アメリカ西海岸で乗り継ぎ後約1時間。車の場合:ラスベガスからは、I-15 North→UT9→US98→US160→US163で、約10時間。途中、ザイオン国立公園またはページで1泊した方がよい。ラスベガスからツアーあり。フェニックスからは、I-17North→US89→US160→US163で、約7時間。グランド・キャニオンで宿泊した方がよい。
 モニュメント・バレーからフォー・コーナーズ – US160を東へ約2時間
 モニュメント・バレーからメキシカン・ハット – US163を北へ約15分
 モニュメント・バレーからグースネック州立公園 – US163を北へ→UT261→UT316で、約30分
 周辺情報グランド・キャニオン国立公園、アンテロープキャニオン&レイク・パウエル、キャニオン・デ・シェィナショナルモニュメント、メサ・ベルデ国立公園、セドナなど

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