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MRJ、納入は2017年第2四半期のまま初飛行を9~10月延期–5号機はANAカラー
三菱重工業と三菱航空機は次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)について4月10日に説明会を開催し、開発状況および量産に向けた拠点展開の準備状況を発表した。初飛行の時期は9~10月に見直すものの、初号機納入については計画通り2017年第2四半期を予定している。
MRJの初号機
MRJは三菱航空機が開発する70~90席クラスの次世代民間旅客機で、現在の受注機数は407機(うち確定223機)となっている。三菱重工業と三菱航空機は量産段階への移行に向け、4月1日付で新体制を発足。それに先立つ1月には、三菱航空機が本社の全機能をMRJの最終組み立て・地上試験・飛行試験が行われる場所に隣接した県営名古屋空港ターミナルビル(愛知県豊山町)の同一フロアに移転し、効率的な業務運営体制を整えた。
MRJの初号機
現在、静強度試験や飛行試験2号機以降の製造を進めているが、各種地上試験による検証結果とそのフィードバックを経て、初飛行の時期については9~10月に見直すこととなった。今後は各種飛行試験を集中的に実施するとともに量産機の製造を加速することで、計画通り2017年第2四半期の初号機納入につなげていくという。また、これと並行して、高水準のカスタマーサポート体制を構築していく。
開発の進捗状況
2014年2月に発表した量産に向けての拠点展開として、量産機については三菱重工業の工場を最大限に活用して生産する。また現在、県営名古屋空港に隣接する県有地(愛知県豊山町)を取得し、最終組み立ておよび艤装(ぎそう)・塗装を行って完成機に仕上げる新工場を建設している。
最終組み立てを行っている格納庫の様子
製造中の2号機以降の現状は、2号機は全機地上試験に向けた準備作業中、3号機は組み立ての最終段階、4号機は翼胴結合中、5号機は胴体結合後、現在塗装中となっている。この5号機はANAの塗装仕様にて、国内での飛行試験を実施する見通しとなっている。
MRJの2号機
MRJの3号機
MRJの4号機
MRJの5号機
MRJの5号機はANAの塗装仕様となる予定
主翼部品に関しては神戸造船所(神戸市兵庫区)で一貫製造し、名古屋航空宇宙システム製作所 飛島工場(愛知県飛島村)に新設する専用ラインで組み立てる。エンジンはグループ会社の三菱重工業航空エンジンで最終組み立てを行う。
量産準備状況
そのほか、国内パートナーが参加した航空機部品生産共同組合を設立し、松阪工場(三重県松阪市)で民間機の量産部品を連携して一貫生産するクラスターの立ち上げを進めている。さらに、国内の各製造拠点および世界中のサプライヤーとリアルタイムネットワークを構築することで、膨大な数の物流を管理する計画を進めているという。
世界中のサプライヤーとリアルタイムネットワークを構築
MRJ Debutの動画
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