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クルーグマン教授、日銀のQEにインフレ達成効果ないと断言 米誌などは反論
日銀が昨年10月31日のハロウィーン・デーに積極的な追加金融緩和政策を発表し、世界を驚かせてから5ヶ月近くが経過した。これらアベノミクスが繰り出した量的金融緩和(QE)などの効果について、今のところ海外の識者の見方は割れているようだ。
ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン米プリンストン大教授は、QEは日銀が最終的に目指すインフレ達成には結びつかないと、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)のコラムで分析している。これに対し、英経済コラムニストのティム・ウォーストール氏らが反論している。
◆QEにマネーサプライを増やす効果はあまりない
クルーグマン教授は、日本の実際の数字を検討した結果、QEそのものはマネタリーベースの増加に効果がないという理論が証明されたとしている。日本がバブル崩壊以降陥っている「流動性の罠」(金融緩和により利子率が低下し、通常の金融政策が効力を失うこと)の状況では、かえって銀行預金が減るなどの悪循環に陥ると指摘する。
同教授は、日本のQEの推移を、2001年から2007年にかけてのマネタリーベース(日銀が供給する通貨量=日本銀行券発行高+通貨流通量+日銀当座預金)とM2(日銀による通貨供給量の指標の一つ=現金通貨+各種預金)の相関関係を示すグラフを用いて分析。それによれば、2006年1月の急激な減少などのマネタリーベースの増減に関わらず、M2は一定して微増にとどまっている。
これを根拠に、クルーグマン教授は、円を増刷するQEは、インフレに結びつくと言われるマネーサプライ(M2)の増加には「それほど関係がないことは明らかだ」としている。
◆「クルーグマン教授はパズルの1ピースを見失っている」
これに対し、英シンクタンクのフェローでもあるウォーストール氏は、「私のような一介のジャーナリストが、現代を代表するエコノミストについて言うのには危険な言葉だ」と前置きしつつ、「彼はパズルの1ピースを見失っていると思う」と批判を加えている。
同氏は、クルーグマン教授が、自ら示したグラフから、QEとマネーサプライの増加の相関関係を読み取っていることに盲点があると指摘する。そして、そもそもQEの目的はマネーサプライを増やすことではなく、「斜面を転げ落ちるように減ることを防ぐために行っているものではないか」と主張する。
その見方に立てば、日本のQEは「非常にうまくいっているという見方もできる」と、ウォーストール氏は言う。…