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中国が大きく牽引!2014年の「新設風力発電」が過去最高と発表
経済産業省・資源エネルギー庁によると、現在、日本で使われている発電電力構成の6割は石油や石炭などの化石燃料を使用した火力発電によるものだ。しかし、地球温暖化の原因となる温室効果ガスや、燃料の輸入依存度の高さ、埋蔵資源の減少といった課題を前に、自然の力を利用した“グリーンエネルギー”への期待が高まっている。
だが、依然として発電コストの問題はクリアできておらず、導入拡大にはさらなる取り組みが待たれているのが現状だ。一方で、世界に目を向けると、2014年に新設された風力発電の発電能力は約5,148万kwと過去最大になったことが、GWEC(世界風力会議)から発表された。
■ 世界全体で年間新設量5,000万kw超は初
世界全体で5,148万kwの新設があった2014年だが、年間で新設量5,000万kwを超えたのは初めてのこと。前年からは44%増となり、過去数年に風力発電が直面していた難局からの脱出、回復を示す“根拠の確かなサイン”だとGWECはいう。2014年末時点での発電能力は3億6,955万kwとなる。
GWECは、コストが低く安定した風力発電が、化石燃料の価格変動に対するリスクヘッジを模索する公益事業体、独立系発電事業者といった主体にとって魅力的なオプションになっていると分析している。
■ 全体の45%と中国が存在感、日本は遅れ
中国は2,335万kwを新設しているが、これは世界全体の45%にあたり、成長拡大の牽引力となっている。2,616万kwを新設し地域別でトップを走るアジアのなかでも、圧倒的な存在感を見せつけた形だ。
地域2位のインドも、231万kwを新設し市場の順調な成長がうかがえる一方で、日本は13万kwとパキスタンやフィリピンを下回る規模にとどまっている。日本の累計導入量は279万kwでルーマニアに抜かれ、前年の世界18位ランクからひとつ下げる結果に。
ヨーロッパも1,282万kwを新設するなど伸びを見せており、ドイツ(529万kw)、イギリス(173万kw)、スウェーデン(105万kw)、フランス(104万kw)とエネルギー問題に積極的な取り組みを見せる4か国が、同程度の発電量を持つ原発1基に相当する100万kwを超えている。
GWEC事務局長のSteve Sawyer氏は、風力発電が気候変動、大気汚染、エネルギー安全保障といった諸々の問題に対する解決策になると述べた上で、12月にパリで行われる国連気候変動会議の出席者がこのメッセージを受け取り、なにか有益なことを考え出すことを望む、と報告を締めくくっている。
中国を中心に風力発電の導入が拡大するなか、地形や送電といった面で条件が整わず導入が遅れる日本。エネルギー価格の高騰への対策として、あるいは環境問題への取り組みとして、今後新設の動きが広がっていくことに期待したい。
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