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就活生を悩ませるESの厄介な設問 「他社の選考状況」は素直に答えて大丈夫です
エントリーシートに関連することで、毎年相談を受けることがあります。その1つが「他社の選考状況」という設問について。この問いに「本当のことを書いてしまっていいのだろうか…」と悩むのは、就活本やネット上に怪しい情報が流れているからでしょう。
結論から言うと、素直に書いて全く問題ありません。採用担当者が就活生の選考状況を聞く意図は、別に「自社への熱意を確認したいから」ではないのです。(文:河合浩司)
■「軸がないと落とされる」とは考えすぎ
他社の選考状況を聞くおもな理由は、2つあります。1つめは「他社の動きを知るため」。商品やサービスを売るときに競合他社が存在するように、採用にも競合がいます。競合には、同業他社ではない企業も少なくありません。
自社を志望してくれる学生さんの興味関心を調べながら、来期の採用活動に活かしていくのです。実際に弊社でも、「他社の選考」によく名前のあがる会社のサイトや説明会でのパンフレットなどを調べ、差別化を図ったこともあります。
2つめは「活動的な人かどうか知るため」。たまに秋採用の時期でも、1社も受けていない方にお会いします。何らかの理由があれば納得できるのですが、特に何もないのに、何もしていない人がいます。こういう人に限って「私には行動力があります」と言い出すのは、何度見ても不思議なものですね。
これが採用担当者の本音です。しかし採用現場を知らない人は、この設問に対しても意味不明な裏読みをします。よくあるのが「他社の選考状況は、業界や業種を統一しないと、軸がないと判断されて落ちる」というもの。ご安心ください。こんなことで落とすことはありません。
そもそも志望企業を決めるときに、業界や業種だけが軸になるわけではないことくらい、私たちも理解しています。仕事内容や働き方、企業のビジョン、経営者の価値観など、他にも様々なものが軸になりえます。
「学生が何を意図して、就活を進めているのか」は、他社の選考状況を知ったくらいでは分からないのです。仮にこのようなことで落とす企業が存在したら、毎年のように良い人材を逃し続けていることでしょう。
■「どうして?」は詰問しているわけではない
とはいえ、記載されている他社の選考状況を見て、学生の意図が見えなければ、面接の際に質問することがあります。この時、問い方が悪いせいで誤解を生じてしまっているのかもしれませんが、採用担当者がついつい言いがちなのが、
「選考状況を見ると業種も業界もバラバラですが、これはどうしてですか?」
こういった類の言い方です。…