窃盗事件を二重起訴＝チェック不足原因―京都地検

　

　

　　京都地検は２３日、窃盗事件の被告に対し、起訴済みの内容で追起訴するミスをしていたと発表した。地検は計５０回の窃盗を複数回に分けて起訴したが、一部の窃盗行為が重なっていたことが、公判で弁護人の指摘を受け判明した。事前決裁時のチェック不足などが原因とみられる。

　　地検によると、問題となったのは、３０代の男が、自分の口座に振り込まれた特殊詐欺絡みの金を現金自動預払機（ＡＴＭ）で引き出したとされる事件。地検は昨年１０月、ＡＴＭから計約２７０万円を引き出したなどとして、窃盗罪などで男を起訴。その後、同年１１月〜今年１月に、同罪などで４回追起訴した。

　　ミスがあったのは今年１月の追起訴分。計２７回にわたり約５００万円の金を引き出したとされる起訴内容のうち、４回８０万円分が、昨年１１月の追起訴に既に含まれていた。地検は二重起訴分について、公訴の取り下げを京都地裁に請求した。

　　京都地検の永村俊朗次席検事は「十分なチェックがされていなかった。今後、再発防止に努める」と話した。