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自治体の8割、より予算を投入したい分野に「子育て・少子化対策」

 自治体の8割、より予算を投入したい分野に「子育て・少子化対策」

 約8割の自治体が「子育て・少子化対策」を緊急性が高く、予算をより多く投入したい分野にあげていることが、ベネッセ教育総合研究所の調査からわかった。また、人口規模の小さい自治体ほど、自治体の発展のために子育て・教育施策を最優先する意向が強かった。
 
  調査は全国の市町村1,741自治体を対象に、「明日の子育て・教育を考える」調査を実施(平成27年1月)。各自治体の子育て・教育に関する施策、取組意向などを調査することで、子どもたちのよりよい成長と環境づくりに資することを目的としている。郵送による調査で、47.4%にあたる826自治体から回答を得た。
 
  「緊急性が高く(おおむね3年以内)、予算をより多く投入したい分野」を3つまで選択してもらうと、約80%の自治体が「子育て・少子化対策分野」をあげた。子育て・教育に関する考えを聞くと、自治体の75.9%、首長の94.4%が「自治体の発展のためには、子育て・教育施策を最優先するつもり」に「とてもそう思う」「やや思う」と回答した。また、人口規模の小さい自治体ほどその傾向が強く、人口30万人以上では3割程度だったが、人口10万人以上では7割以上、人口2万人未満では8割近くとなっている。
 
  自治体の行っている施策では、子どもの医療費助成91.9%、小学校での外国語教育のための特別な取組み72.0%、スポーツ活動充実のための特別な取組み70.8%、子育て支援センターの設置70.6%などが上位となった。
 
  子育て・教育施策の課題として、「予算の不足」と回答した自治体は71.9%、「人材の不足」は58.2%。人口規模ごとの課題では、規模の小さい自治体ほど「育成した人材が地域外に出てしまう」「支援してくれる企業・団体が少ない」を、大きい自治体ほど「学校現場の理解を得にくい」「地域住民の理解を得にくい」をあげる傾向にあった。
 
  平成27年度から施行される新しい教育委員会制度について「改革に強いリーダーシップ持って取り組もうと思うか」という質問に、首長の60.4%が「そう思う」「ややそう思う」と回答。新制度における教育長に自分の考えに沿った人材を任命したいかを聞くと、「そう思う」58.1%、「ややそう思う」23.5%となった。
 
  子育て・教育施策に関しての意見を自由回答で聞くと、「自治体間の財政力の差が子育て・教育の差となって表れるのではないか」と危惧する声や、「今できることをできる限り着実に積み重ねていくことが、将来に繋がる礎になるものと考えている」といった意見があがっていた。

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