遺体、取り違え引き渡す＝捜索願の男性生存、謝罪―指紋確認せず・警視庁

　

　

　　２６年前に東京都内で見つかった男性の遺体について、警視庁が身元確認を十分に行わず、男性とは無関係の家族に引き渡していたことが１２日、同庁への取材で分かった。同庁はこの家族らに謝罪するとともに、改めて身元確認を進めている。

　　警視庁によると、１９８９年１２月に狛江市で中年の男性の遺体が見つかった。司法解剖の結果、病死だった。９０年１月に捜索願が出ていた４０代の男性と年齢や身体の特徴が似ていたため、この男性の妻らに連絡。妻や男性の兄から本人との確認を得たため、引き渡された。ＤＮＡ型鑑定や指紋による身元確認は行われなかったという。

　　しかし、捜索願が出された男性が戸籍から除籍されていると家庭裁判所に申し立て、裁判所から昨年１２月、警視庁に照会。取り違えが判明したという。

　　警視庁は「身元を誤認したまま引き渡し、誠に遺憾。本件を教訓に再発防止を徹底する」とコメントした。