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銃声4発、死を覚悟 警察庁長官銃撃20年、元秘書語る
警察庁長官だった国松孝次さん(77)が銃撃され、重傷を負った事件から30日で20年になる。治安の最高責任者である警察トップが狙われた前代未聞の事件。長官秘書として銃撃時も一緒にいた田盛(たもり)正幸さん(64)=当時警視=が当時の状況やいまの心境を語った。報道機関の取材に応じたのは初めてだ。
【写真】国松孝次警察庁長官(当時)が撃たれた自宅マンション前を調べる捜査員=1995年3月30日午前10時、東京都荒川区南千住6丁目、朝日新聞社ヘリから
長官はこの日に限って、東京・南千住にある自宅マンションの正面玄関でなく、通用口から外に出た。その結果、犯人からの距離が縮まり、背後から狙われる形になった。
毎朝、長官が部屋から下りてくる前に、異常がないか付近を確認していた。普段は隣の棟や玄関の郵便受けを点検してからインターホンで長官宅に連絡するが、あの日は長官に伝えることがあり、手順が逆になった。インターホンを鳴らした後、点検しているところで長官が下りて来て、そのまま通用口から一緒に出た。
ドーンと1発目の音がした。マンションで工事が行われていたため「鉄板でも落ちたのか」と思ったが、長官が前のめりになった。2、3秒後に2発目。倒れた長官を仰向けにしたところで3発目が来た。この間2、3秒。植え込みの陰まで引きずり、隠れた。3発目から5、6秒後に4発目が放たれた。足に痛みを感じた。銃弾で砕かれた縁石の破片が当たったらしいが、その時は「自分も撃たれた。上から狙われている。殺される」と思った。
長官の衣服をはだけ、傷を確認すると、腹の真ん中に2センチぐらいの穴があった。貫通した銃弾が出た痕だ。背中には弾が入ったことを示す小さな筋状の傷があった。「長官、大丈夫です。出血は止まっています」と声をかけると、「うん」とうなるように返事があった。犯人の姿は見なかった。