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<国連防災会議>バンダアチェ市長 震災遺構、次世代教訓に
◇04年12月のインド洋大津波で被災
仙台市で開催中の国連防災世界会議に出席しているインドネシア・バンダアチェ市のイリザ・サアドゥディン・ジャマル市長が16日、毎日新聞のインタビューに応じた。東日本大震災の被災地の一部で保存の是非が議論となっている震災遺構について「今の自分たちだけでなく、次の世代を考えて判断すべきだ」と述べ、保存に向けた取り組みを支持する考えを示した。
バンダアチェ市は、23万人が犠牲となったインド洋大津波(2004年12月)の最大被災地・アチェ州の州都。津波で市街地に運ばれた船を保存し、周辺を「津波教育公園」として整備している。
イリザ市長はバンダアチェでも当初は船の解体を望む声があったとした上で、「マイナスの記憶を教訓として伝えていくことこそ前向きの対処だ。アチェでは今は保存に否定的な意見は聞かれない」と強調。遺構が国内外の見学者を集め、地域経済にもプラスになっているという。
一方、被災から10年が経過したバンダアチェの状況について「インフラは津波前よりも改善しており、復興から防災・減災にかじを切っている段階だ」と説明。ハザードマップ策定や避難路などの整備は進んでいるものの「防災教育や住民の意識向上はなお必要だ」と述べ、ソフト面を課題に挙げた。
今回の世界会議について「日本の震災と復興の経験を世界がシェアする意義は大きい」と評価、日本の発信に期待を表明した。【井田純】
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