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<園児水死事故>元園長無罪判決…傍聴続けた遺族「残念」
神奈川県大和市の学校法人西山学園「大和幼稚園」のプールで2011年7月、園児の伊禮(いれい)貴弘君(当時3歳)が水死した事故で、横浜地裁は31日、業務上過失致死罪に問われた元園長、西山淳子被告(67)に対し、無罪(求刑・罰金100万円)を言い渡した。近藤宏子裁判長は「安全管理の責務や行動基準を逸脱していたとまでは言えない」と述べた。
◇
「残念としか言いようがない」。判決を受け、伊禮貴弘君(当時3歳)の父康弘さん(40)は、言葉を絞り出した。事故から3年9カ月。一緒に過ごした記憶が薄れていく怖さと向き合いながら、妻利奈さん(40)と傍聴を続けてきた。
幼稚園は安全な場所であり「教諭も『子供の命を預かる職業』と認識している」と信じていた。ところが事故後の園の対応に誠実さはなく、責任逃れに終始しているように映った。
「自分たちが何もしなければ事故は忘れ去られ、再び同じ悲劇が繰り返される」。そんな思いから子供を事故で亡くした遺族や、学校事故の専門家とも積極的に交流。業界全体の危機意識の低さの改善が必要だと確信し、さまざまな勉強会で遺族としての体験を語ってきた。
夫婦にとって全面的に主張が対立する公判の傍聴は苦しみの連続だった。園側は「日常の保育活動を通じ、園児から目を離さないことを徹底して指導していた」などと主張。聞くに堪えないと憤ったこともあったが、「貴弘が天国から応援してくれる」と信じ、法廷を直視してきた。
先行して行われた元担任教諭の公判では園の安全教育の不十分さが指摘されたが、元園長の過失の立証は正直難しいとの考えもあった。「息子の命を『踏み台』にしてもいい。これを教訓に何百人、何千人の命が救われるなら」。そんな思いでこの日を迎えた。
判決後。康弘さんは前をむくように「僕が落ち込んでも仕方がない。貴弘もそれを望んでいないし、終わりではない」と話し、検察に対し「できれば控訴をお願いしたい」と述べた。【飯田憲、水戸健一】