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<安保法制整備>「事後承認」で自公対立 緊急時「歯止め」
◇「国際平和支援法」 最大の焦点の国会承認の在り方
政府が14日の安全保障法制整備に関する与党協議会で示した自衛隊の海外派遣のための「国際平和支援法」(恒久法)では、国会承認の在り方が最大の焦点となる。政府は、迅速な派遣を可能にするため緊急時には「事後承認」としたい考えで自民党も同調。これに対し、公明党は、「例外なき事前承認」により派遣するよう求め、議論は平行線をたどった。
国際平和支援法は、国際社会の平和や安全が脅かされるような事態で、他国軍隊への補給や輸送など後方支援のため自衛隊を海外に派遣するための法律。14日の協議で自民党は、国会が閉会中や衆院解散時に紛争が発生した場合などを想定し、「緊急を要する事態もある。緊急性を排除して法律を作るべきではない」と主張した。
公明党は従来、国際的な活動で自衛隊を派遣する際には、イラク復興特別措置法やテロ対策特別措置法のように、その都度、特措法を制定するよう求めていた。国会での法案審議自体が歯止めになるとの考えからだった。ただ、恒久法制定は政府・自民党の長年の課題であることから、法整備には同意せざるを得ないと判断。「法案審議と同程度の国会関与を担保するため『例外なき事前承認』を盛り込む」との方針に転じた。14日の協議でも「国会閉会時でも3日あれば召集は可能だ。衆院解散中は、憲法で規定された参院による緊急集会で対応できる」と訴えた。
国際平和支援法では、外国部隊が武力を行使する活動を支援することになるため、「より厳しい国会承認の手続きが必要になるのは当然だ」(公明党幹部)との主張もある。
周辺事態法を改正する「重要影響事態安全確保法」(重要影響事態法)では現行法通り「緊急時の事後承認」を認める方向。公明党も「日本の平和と安全」に関わることから容認しているが、「国際社会の平和と安全」を目的とする国際平和支援法はより厳格な歯止めが必要と考えている。
一方、政府は、国連平和維持活動(PKO)以外で、紛争後の人道復興支援活動や治安維持任務に自衛隊を派遣する条件について、国連決議がなくても、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や欧州連合(EU)、活動する国の要請がある場合は可能とする方針を示した。
3月にまとめた法案の骨格では、派遣要件を「国連決議または関連する国連決議等がある」にとどめ、公明党は「等」を明確にするよう求めていた。政府の全体像はUNHCR、EU以外の対象機関を「政令で定める」とし、明示は先送りした。…