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<微生物>地球で一番省エネ…代謝、大腸菌の1億分の1
栄養分がほとんどなく、生物は生きられないと考えられてきた南太平洋の深海底の堆積(たいせき)物の中に、ごくわずかなエネルギーだけで生きる微生物がいたと、日本など12カ国のチームが発表した。地球上で最も代謝が低い超省エネ生物という。英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載された。
チームは2010年、ニュージーランドと南米大陸の中間地点周辺で海底を掘削調査。水深3740〜5695メートルの計7カ所で、海底の表面から地殻までの堆積物を採取し分析。この海域は光合成で生産される有機物の量が非常に少なく、「海の砂漠」と呼ばれている。
チームによると、沿岸域では海底下数ミリ〜数メートルで無酸素状態になるが、この海域では、海底表面から地下75メートルまで全ての堆積物中に酸素が含まれていた。また、栄養分となる有機物の濃度が0.03%以下と極めて少ないのに、1立方センチ当たり数百〜数千個程度の微生物が存在した。堆積物中の酸素濃度の変化から試算すると、エネルギー消費量は大腸菌の1億分の1以下しかないという。
研究は日米主導の国際プロジェクトの一環。リーダーを務めた稲垣史生・海洋研究開発機構上席研究員は「1億年以上前に蓄積された超低栄養の地下の環境に、膨大な酸素と生きている微生物が存在していたのは驚きだ。この微生物の特殊な代謝機能が解明できれば、生物の長生きの秘訣(ひけつ)も分かるかもしれない」と話す。【大場あい】
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上原健二
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