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<1票の格差>高裁判決は違憲1、違憲状態7、合憲3
「1票の格差」が最大2.13倍だった2014年12月の衆院選は憲法が保障する法の下の平等に反するとして、弁護士グループが選挙の無効を求めた訴訟の判決で、福岡高裁(高野裕裁判長)は25日、小選挙区の区割りを「違憲」と判断した。14年選挙を巡る17件の訴訟で違憲判断は初めて。一方で「事情判決」の考えに従い「選挙を無効とせず、是正に向けて猶予期間を設けることも許容される」と述べ、原告の請求は棄却した。
選挙無効訴訟は公職選挙法の規定により高裁が1審となる。14年衆院選を巡っては同日までに計11件の判決が出され、違憲1件、違憲状態7件、合憲3件となった。今後6件の判決が予定されており、最高裁が統一判断を示す見通し。
高野裁判長は、小選挙区の議席を各都道府県にまず1ずつ配分する「1人別枠方式」の規定を削除し、選挙区定数を「0増5減」した12年の法改正について「0増5減の対象外の選挙区では1人別枠方式による定数配分が維持されており、構造的問題が最終的に解消されていない」とした。
さらに、1人別枠方式の撤廃を初めて求めた09年衆院選に対する最高裁判決(11年3月)から今回選挙まで、3年9カ月が経過している点を重視。国会の取り組みを「格差を2倍以内にすることに終始しており、裁量の行使として相当ではない」と批判したうえで「是正のための合理的期間も過ぎている」と述べ、違憲判断を示した。
そのうえで「選挙を無効として小選挙区選出議員が全員失職すれば弊害と混乱は否定できない」と指摘。14年選挙の前から「衆議院選挙制度に関する調査会」で議論が続いている経緯も踏まえ「今後の是正が期待できる」などとして選挙無効の請求を退けた。
この日は他に5件の判決があり、高松、広島両高裁は「合憲」、東京高裁、広島高裁松江支部、名古屋高裁金沢支部は「違憲状態」と判断した。違憲状態の3件は、是正のための合理的期間を過ぎていないと判断し、請求を棄却した。
1票の格差が最大2.43倍だった12年衆院選を巡る高裁判決は、戦後初めての違憲・無効判断2件のほか、違憲・有効12件、違憲状態2件で、合憲はなかった。【川名壮志、山本太一】
【ことば】事情判決
行政事件訴訟法は、行政機関による処分が違法でも、それを取り消すと公益を著しく害すると判断した場合、裁判所は処分を違法と宣言したうえで取り消し請求を棄却できると定めている。「1票の格差」を巡る訴訟で最高裁は過去2回、違憲判断を示しつつ、この考え方を応用して選挙自体を有効とした。…