「選手の能力に応じた目標設定が必要」 集団行動の清原氏がスポ懇で講演

　

　　（株）共同通信社主催の「第７回全国スポーツ懇話会」がこのほど、東京都内であり、都内の体育教師ら40人余りが参加。水球や「集団行動」の指導で知られる清原伸彦・日本体育大学名誉教授が「今の時代に必要な指導方法は？」と題する講演に耳を傾けた。
　　清原氏は母校日体大の水球部を率い、競技未経験者ながら、21年間無敗の376連勝という前人未到の記録を樹立。集団が一糸乱れず行進する「集団行動」の指導でも有名で、ユニークな熱血指導法に注目が集まっている。
　　清原氏は「競技するのは選手だから、選手の持っている能力を引き出し、選手自らが動きやすい環境を作ってあげるのが指導者の役割だ」と指摘した。
　　指導には、着実な目標の設定、目標達成のための環境づくり、計画の策定・実行、結果の分析・反省の各過程があるとして、各注意点を豊富な具体例とともに説明した。
　　強いチームを作る秘訣（ひけつ）は「簡単、指導者が勉強すること」と断言。独創的な戦略で黄金時代を築いた水球部を例に「指導者には探究心が必要。人づくりや技術の改革方法、心理・意識の研究などをしっかり勉強しなければならない。話し方を変えてみるなど、選手を引き付ける工夫が常に必要」と話した。
　　「集団行動」を教えたロシア人にも触れ「自習能力がすごい。日本の大学生が6カ月かかっってやることを20日間でやってしまった」と舌を巻いた。
　　質疑応答では、選手ごとに異なる目標設定をめぐる質問があり、清原氏は「子どもたちは顔も経験も能力も異なる。それぞれの能力を引き出す指導の過程では、全員一緒の目標設定ではうまくいかない」と強調した。
　　スポーツ懇話会は年4回ほど開催。各界で活躍する講師を毎回招いている。次回の第8回は、文武両道をテーマに5月中旬の開催を予定している。
　　同懇話会の詳細はhttp://www.kyodo.co.jp/sports-leader/。問い合わせは（株）共同通信社企画事業部、電話[phone]。

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