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よく知っている会社はむしろ投資するな!?~マネーハック心理学27
FP山崎(@yam_syun)です。「日経電子版」に週刊連載していた記事をまとめた『20代から読んでおきたいお金のトリセツ!』というムック本が発売されています。もしよければ書店で手に取ってみてください。もちろんAmazonで買っていただければ著者は喜びます。
さて、人間の非合理性を経済学にも応用した行動ファイナンスのエッセンスを、楽しくおもしろい「お金と投資に関する読み物」としてご紹介するマネーハック心理学。今回は「よく知っている会社に投資する注意点」を考えてみます。
「知っている会社の株を買え」とよく言うが、正しいか
初めて投資をするとき指南書を何冊か読むと、「自分がよく知っている会社の株からはじめてみよう」というアドバイスが目に入ってきます。食品メーカーや小売店など、自分がよく知っていてお気に入りの企業は、そうでない会社より詳しい分、投資判断が行えるというわけです。たいていセットで紹介されるのはアメリカの著名投資家バフェットの投資術で、コカ・コーラを買ったケースなどが紹介されます。
よくわからない投資の世界で自分が少しでも知っている企業を対象とすることには、一見すると合理性があるように思います。しかし、それは本当に効率的な選択肢なのでしょうか。行動ファイナンスの視点からもう一度考えてみましょう。
「慣れ」と「バイアス」により、むしろ非合理的投資になる
行動ファイナンスでは「慣れ」や「バイアス(偏り)」が非合理的行動を生み出すことがよく説明されます。「思い込み」と言い換えてもいいかもしれません。
自分が慣れ親しんでいる銘柄や投資エリアは、合理的資産配分を越えて保有しがちです。アメリカでのある調査では、電力会社への投資を行うとき、自分の居住エリアを担当している電力会社を買う割合は、他地域の電力会社の株を買う割合より明らかに高かったそうです。日本で言えば、関西人が電力株を買うなら「東京電力」ではなく「関西電力」を買うようなものです。そこには企業経営の評価があるわけではなく、単に「自分が住んでいるエリアだから」という理由があるだけです。当然ながらこれは合理的ではありません。
自分が知っていることを「詳しい」と思っていたら、それは単なるバイアスである可能性もあります。「個人的に好き」に過ぎない可能性です。とあるゲームメーカーの新作はどれも素晴らしい作品なので株を買ってみたものの、企業業績としてみれば十分でなく、株価は下落するというケースなどがこれにあたります。…