トワイライト、感動のフィナーレ 最後の車内放送「心の中でいつまでも走り続けます」

平成元年の登場から地球４７０周分１９００万キロを走破した豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」が１３日、最後の旅を終え、四半世紀の歴史に幕を下ろした。札幌を前日出発した上り最終列車は午後０時５５分、定刻の２分遅れでＪＲ大阪駅に到着した。「一生忘れない」。ホームでは約２千人の鉄道ファンが出迎え、有終の美を見守った。

【フォト】ＪＲ大阪駅で最終列車に乗務した車掌の周りに集まる人々

　「今日で運転を終了しますが、トワイライトはこれからも私たちの心の中で走り続けます」。終着の大阪駅に近づくと、長尾寛車掌（５１）は込み上げる思いを必死に抑えながら車内放送のマイクに向かった。

　駅のホームでは、妻の尚美さん（５１）が花束を手に待っていた。「今日は結婚記念日。青函トンネルが開通した昭和６３年のこの日だった。同じ日にトワイライトの乗務を終えるとは」としみじみと語った。

　車掌歴約３２年の藤田正人車掌（５５）は「無事に乗務を終えることができ、ほっとした」。トワイライトエクスプレス専用の緑色の制服に身を包んだ中山武士（たけし）車掌（５３）は「この緑色は思い出に残しておきたい」と名残を惜しんだ。

　ホームは鉄道ファンらでごった返し、号泣しながら「ありがとう」と書かれたメッセージを掲げる人も。三重県伊賀市の会社員、成田慶一さん（２６）は「偉大な列車。こういう感情は変かもしれないが、愛していた」。Ａ寝台ロイヤルルームで最後の夜を過ごしたという滋賀県甲賀市の公務員、土渕孝さん（４６）は「時代の流れとはいえさびしい」と話した。