フードコートや仮眠ソファ…ＬＣＣ用ターミナル

　

　成田空港で４月８日、格安航空会社（ＬＣＣ）専用の「第３旅客ターミナルビル」が開業する。

　　２５日には、一足早く内部が報道陣に公開された。１９９２年以来の開業となる新ターミナルは、建設コストを抑えたシンプルさと、利用者に向けて分かりやすさを追求した作りが特徴という。

　　入り口の本館２階で、ひときわ目を引くのが、青や赤の床に白線を引いた陸上競技場を思わせるレーン。青は出発へ、赤は出口などへ導く。レーンの素材は競技場と同じゴムチップ製で、歩きやすく滑りにくい。壁や柱には大きく案内を表示し、遠くからでも視認できる。

　　レーンを直進し、右コーナー近くにはフードコートがあり、国内の空港では最大規模の約４５０席を備える。ＬＣＣは早朝便が多いため、店舗は午前４時から営業開始。一夜を明かす利用者にも配慮してベンチ型ソファを置いた。

　　ターミナルから飛行機に直接乗降できる「搭乗橋」は使わず、天井は配管などをむき出しにするなどした結果、「建設コストは既存施設の１平方メートル当たりの単価と比べ、６割程度」（成田国際空港会社）という。

　　当面は国内外の５社が使用し、国内１２都市、海外７都市を結ぶ。ジェットスター・ジャパン広報の小橋亜季さん（３２）は「多くの人にＬＣＣを利用してもらいたい」と、間もなく訪れるにぎわいを楽しみにしている。

　　（文・植村直人、写真・菅野靖）