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三洋電機が完全消滅 最後の子会社STSを売却
パナソニックの子会社である三洋電機が最後の子が最後の子会社三洋テクノソリューションズ鳥取を売却する。これで、三洋電機は事実上完全に消滅することになる。
三洋電機は11日、三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社(STS)の全株式をジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が運営・管理するファンドが出資する特別目的会社合同会社ジェイ・アイ・エー(JIA)に、3月31日付けで譲渡することで、JWPと合意したと発表した。
STSは、現在、三洋電機の最後の子会社である。もとは1966年に「鳥取三洋電機」の社名で三洋電機が設立した。通信・ネットワーク、制御ユニット・基板、健康・医療機器、厨房機器関連の製造・販売などが主な事業内容としていた。ピーク時の売上高は2000億円を超え、携帯型カーナビ「ゴリラ」や、コメからパンを焼く「ゴパン」などのヒット商品の生産も手がけていた。2013に社名変更した。現在は自動車や家電向けの電子基板などを生産している。売却後も事業は継続し、約220人の従業員の雇用は維持されるという。
譲渡先として、大企業子会社の独立支援や地方中堅中小企業への投資において豊富な実績を有するJWPが最適と考え、JWPが運営・管理するファンドが出資するJIAにSTSの全株式を譲渡することになった。
三洋電機は、かつては家電大手の一角を占めるほどの存在だった。ピーク時には2兆円を超える売上高を上げていた。しかし、経営不振に陥り、2009年にパナソニックに子会社化された。以降、白物家電やデジタルカメラなどの事業は海外企業などに相次いで売却された。
従業員もかつては約10万人を超えていたが、凋落とともにリストラや転属が敢行され、多くが離れていった。そして、2014年11月には残った社員のパナソニックおよびパナソニックグループ会社への転籍が決定している。転籍するのは約7000名で、本人の同意を条件として4月1日に実施される。(編集担当:慶尾六郎)