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利回り低下もJリートが買われ続けている要因を専門家が解説
2014年から引き続き、J-REIT(不動産投資信託、以下、Jリート)市場が好調だ。日銀が追加金融緩和を実施した昨年10月末には、時価総額が初めて10兆円を超え、市場規模も順調に拡大している。Jリート好調の背景と注目の投資法をアイビー総研の関大介氏が解説する。
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東証リート指数は年初から上昇し、1月中旬には1990ポイントを超えた。ただ、ここまで価格が上がったことに伴い、Jリートの分配金利回りは3%を切るという低い水準まで下がってきている。市場の過熱感が気になる状況だが、それでもJリートが買われているのはなぜか。
要因はいくつか考えられる。リスク回避の動きが若干強まる中、国債の利回りがさらに低下していることもその1つだろう。特に金融機関は、ある程度の利回りがとれるJリートに投資せざるを得なくなっている状況にある。
為替相場の方向性がはっきりしないこともJリートが堅調に上がっている要因として挙げられる。投資家は、このまま円安方向に大きく動いていくのか、それとも円高に振れるリスクもあるのかを考えながら投資先を選ばないといけない。そこで、為替の影響を受けず、利回りがとれるJリートに着目し、とりあえず買っておこうという動きが出ているのだ。
利回りをとりたければ、外債を買う選択肢もある。為替が円安基調であれば、アメリカ国債などを中心に購入する投資もできる。しかし、円安が今後さらに進行するのか確信できない相場になっているため、一時的な避難先として投資マネーがJリート市場に向かっているというわけだ。
このように、Jリートにとってプラスに働く状態が続いているが、高値を追える局面ではなくなっている点には注意が必要である。国内の投資家から見ても、利回りとしてはかなり低い水準までJリートの価格が上がっている状態のため、価格が下がれば押し目買いはするが、積極的に買っていく動きにはならないだろう。
今後、積極的な買いの動きが出てくるとすれば、それは日銀がもう一度、追加の金融緩和を打ち出した時である。
「黒田バズーカ第3弾」が放たれるか否かは、原油価格を除いた物価の動向次第と思う。個人的には、再び追加の金融緩和を実施せざるを得なくなると考えている。どうなるかは不透明だが、もし黒田バズーカ第3弾が飛び出せば、その流れに乗ってJリートを買っていけばよいだろう。
※マネーポスト2015年春号