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受注を減らしたのに、なぜ「チョコモナカジャンボ」は3倍も売れたのか

 受注を減らしたのに、なぜ「チョコモナカジャンボ」は3倍も売れたのか

 アイスクリーム市場が絶好調だ。1991年のバブル崩壊後から「失われた10年」を経て、2008年のリーマンショックをきっかけに世界同時不況に突入。クルマが売れない、テレビが売れない、家が売れない……と言われていた中で、アイスクリームは2003年を底に「V字回復」している。
 
  日本アイスクリーム協会のデータによると、販売額は1980年代以降順調に伸びていたが、1994年をピークに下降線をたどる。そして2003年に底を打ってから、再び右肩上がりで上昇しているのだ。グラフには美しい線が描かれているが、アイス市場に何が起きているのか。関係者に話を聞いてみると「かつてアイスといえば子どものおやつだったが、今は大人でも食べる人が多い。また季節を問わず、1年中食べるようになっている」とか「アイスを買っても家が遠ければ溶けてしまう。しかしコンビニの数が増えたので、溶ける心配がなくなって購入者が増えた」とか「近年は夏の猛暑が続いているので、“アイスを食べてすっきりしたい”と思うシーンが増えた」といった声がある。
 
  販売額が伸びている理由をたくさん挙げてもらったが、記者は各社の「商品開発力」と「マーケティング」にそのヒントが隠されていると見ている。スーパーやコンビニの冷蔵ケースを見ると、定番商品がズラリと並んでいる。発売されてから10年~20年はまだ若手で、30年~40年が中堅、50年以上がベテランといった感じだ。新商品が相次いで発売されているのに、狭い冷蔵ケースの中でずっと“自分の居場所”を確保しているアイスクリームには消費者の心をつかむ何かが潜んでいるのだろう。
 
  本連載『水曜インタビュー劇場』では、数十年経っても売れ続けている商品をいくつか取り上げ、その理由に迫ってみたい。その先頭バッターは、森永製菓の「チョコモナカジャンボ」。1972年に発売された当時、そこそこ売れたものの、ヒット商品の仲間入りはできなかった。その後も大きく伸ばすことはできなかったが、2001年からは快進撃が続いている。売上高は14年連続で伸びていて、アイスクリーム類の年間単品売上高は10年連続トップなのだ。
 
  発売してから30年ほど“脇役”を演じ続けてきたのに、なぜその後は“主役”に踊り出ることができたのか。チョコモナカジャンボのマーケティングを担当している山田美希さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。…

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