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富山県、観光シーズン前倒し=世界遺産に「観光地化」懸念も-北陸新幹線
世界遺産の合掌造り集落「五箇山」=15日、富山県南砺市
北陸新幹線の延伸開業で「県民の半世紀近い悲願」(石井隆一知事)が実現した富山県。東京-富山間は最短2時間8分で結ばれる。例年は4月中旬から本格的な観光シーズンに入るが、今年は新幹線開業などで、「少し早めの観光客増」(県観光地域振興局)が起きている。
富山駅総合案内所の担当者は「駅は(昨年までの)ゴールデンウイーク(GW)以上のにぎわい」と延伸開業に目を見張る。関東からの訪問客が急増し、JR路線乗り放題の「レールパス」による外国人旅行者の姿が目立つ一方、関西、中部地方からの観光客は減少しているという。
米国から友人2人と観光で訪れたナサーニョ・ヘブロンさん(38)は富山駅前で、「東京以外の日本も見てみたいと思って来た。春スキーを楽しみたい」と笑顔を見せた。
北アルプスの観光名所「立山黒部アルペンルート」は4月中旬の開通に向けて除雪の真っ最中だ。バスやケーブルカーを運行する立山黒部貫光(富山市)の中林正勝総務課長(48)は、「新幹線開業は大きなチャンス。今年は観光客100万人を目指す」と意気込む。アルペンルートの標高2450メートル地点の室堂にある「ホテル立山」は、宿泊予約が昨年を上回り、GW期間は既にほぼ満室だという。
五箇山」に登場した新幹線の雪像=15日、富山県南砺市
砺波市チューリップ四季彩館では、毎年4月下旬~5月上旬に開催する花の祭典「となみチューリップフェア」(砺波市)に関する問い合わせが、首都圏を中心に例年より約2割増加。昨年12月から台湾で砺波をPRする「ようこそとなみキャンペーン」を展開するなど、海外客の取り込みにも力を入れる。坪田俊明館長(49)は、「今年からは繁体字のパンフレットも作った。より多くの方に訪れてほしい」とアピールする。
海中で光るホタルイカ漁を楽しむ観光船を催行する滑川市観光協会(滑川市)の担当者は複雑な気持ちだ。新幹線開業を受け今年は、例年より2週間ほど早く3月中旬から観光船をスタートし、首都圏を中心に多くの問い合わせを受けるなど関心は高い。しかし、観光船が限られるため、「予約は10日ほどでいっぱいになり、参加していただけない方も多くいた」と話す。
世界遺産に登録された合掌造り集落「五箇山」(南砺市)の保存団体関係者は、新幹線開業を歓迎しつつも、五箇山の観光地化が急速に進むことを危惧する。「建物、文化など、僕たちは一生懸命、五箇山の良さを守っていく」と決意を新たにしていた。