仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
新潟県、「着地型観光」で発信=「日帰り圏化」に不安も-北陸新幹線
上越妙高駅構内の「もてなしドーム」には、開業を記念して満開の桜が展示された。近くの高田公園は桜の名所として知られる=20日、新潟県上越市
長野-金沢間が延伸開業した北陸新幹線は、新潟県では上越地方を通り、上越妙高(上越市)、糸魚川(糸魚川市)の二つの新幹線駅が誕生した。速達型「かがやき」は両駅を素通りするが、停車型「はくたか」は全てが停車。東京-上越妙高間の所要時間は最短で1時間46分となり、利便性が向上する。地元の観光業界は、交流人口の拡大を見込む一方、首都圏との交通体系の変化に伴う負の影響への懸念も目立つ。
上越妙高駅周辺の代表的な観光は、春日山城など上杉謙信ゆかりの地を巡るものだ。春の「高田城百万人観桜会」、夏の「謙信公祭」、秋の「越後・謙信SAKEまつり」など、季節ごとに定番のイベントがある。
高田旅館組合の田中正人組合長(58)は「開業で県外からも来やすくなったので、宿泊客が増えることを期待している」と話すが、不安も隠さない。「ビジネス客の(首都圏からの)日帰りが可能になった」ことだ。従来は、東京から上越市までは上越新幹線と在来線特急を乗り継いで最短で2時間2分かかったが、北陸新幹線の開業で2時間を切り、確実に日帰り圏内になったからだ。
糸魚川駅周辺では延伸開業を機に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が指定した「糸魚川世界ジオパーク」の関連施設が整備された。
地元で旅行代理店を経営する片山佐一社長(67)は、「(地元から発信する)着地型観光としてジオパークサイトツアーをやっており、これから参加者が増えるだろう」と期待する。同時にストロー効果で人が都会に流れることへの警戒も強い。「ふたを開けてみて、こんなはずではなかったとなる心配がある。大都会にアピールできるツアーをつくりたい」と気を引き締めている。
新潟県全体でも延伸開業効果の取り込みを狙う。上越、北陸の二つの新幹線が走るメリットを生かそうと、県を挙げて、「上越-佐渡-新潟」の周遊観光を首都圏や関西圏で売り込む。
泉田裕彦知事は「県土百年の大計に関わること。首都圏、関西圏とのアクセス改善によって、いかに上越地域、佐渡との交流活発化や、事業者間の関係強化を図れるかが課題だ」と話している。