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<春闘>賃上げ交渉ヤマ場 トヨタは3000円台後半の攻防
2015年春闘の賃上げ交渉が、18日の集中回答日に向けヤマ場を迎えている。賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)について、トヨタ自動車は前年水準を大きく上回る3000円台後半の攻防となりそうだ。大手電機も前年を上回る3000円を軸に調整している。賃金相場をリードする自動車、電機がそろって高水準のベアに踏み込むことで、大企業を中心に賃上げの流れが広がりそうだ。【大久保渉、和田憲二、山口知】
「賃金水準については、大きな隔たりが残されたままだが、残された時間はあとわずか。最大限押し込んでいく」。トヨタ自動車労働組合の鶴岡光行委員長は12日、愛知県豊田市内で開かれたトヨタグループ労組の集会で力を込めた。
トヨタ労組はベア6000円を要求。14年春闘では4000円の要求に対し、経営側は現行方式となった02年以降で最高の2700円を回答した。
トヨタの15年3月期の連結営業利益は、過去最高の2兆7000億円に上る見通し。日本経済がデフレから脱却し経済の好循環を実現するには賃上げが必要との認識を労使で共有しており、前年を上回るベアは確実だ。ただ経営側は、取引先との賃金格差が広がることへの懸念もあり、大幅なベアには難色を示している。最終的には前年から1000円上積みした3700円から、大台の4000円台を巡る駆け引きとなりそうだ。年間一時金(ボーナス)は6.8カ月分要求に、満額回答する見通しだ。
14年春闘で満額回答(3500円)した日産自動車は、今年は6000円を要求。2年連続の満額回答は難しそうだが、前年を上回る4000円以上で調整している。
日立製作所や富士通などの電機大手も、ベア6000円要求に対し、前年実績(2000円)を上回る3000円を軸に調整を進める。日立や東芝、三菱電機は15年3月期、過去最高の営業利益を上げる見通しだが、業績好調な企業の中にも「前年が高すぎた。3000円でも高すぎる」(幹部)との声が根強く残っており、ギリギリの交渉が続きそうだ。
昨年4月の消費増税後の景気回復がもたつく中、政府は昨年に続き経済界に対し個人消費を活発化させるような積極的な賃上げを要請している。大手自動車や電機が2年連続で大幅なベアに踏み切るとの観測が広がっており、他産業や大企業に遅れて労使交渉が本格化する中小企業にもこうした賃上げの動きが波及するかどうかが今後の焦点になる。