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[FT]ギリシャのユーロ離脱を認めるな(社説)
「グレグジット」という醜悪な単語は生み出されるべきでなかった。一つの通貨の枠組みから出て行くという決定は、ゲームのルールを無視するようなものだ。こんなことが起きるのは、(第1次大戦後の)ワイマール体制下のドイツによる通貨切り替えなど、歴史上の大きな失敗が起きたときだけだ。欧州単一通貨ユーロを創設した際、離脱の手続きを定めなかったことも理解できる。
古ぼけたEUとギリシャの旗。アテネ近郊の海岸で=AP
ギリシャで急進左派連合が政権を握り、同党の指導者たちの反抗的な言動が、同国のユーロ離脱の現実味を強めてきた。ユーロ体制に加わる各国政府はギリシャに経済改革の遂行を求めたが、説得に失敗した。その後の1月、ギリシャの有権者は、それまでの前進からの後退を公約する政党を選んだ。欧州市民の多く(大半がドイツ人)は、ギリシャが債務期限を延長する代わりに表明する守る気のない約束よりも、ギリシャがこのお芝居に幕を下ろし、(ユーロ導入前の同国通貨)ドラクマを復活させる方がましだと考えている。
こうした考えの背景には、ギリシャがユーロを離脱しても、欧州の存続にかかわるような危機は起きないという見通しがある。ギリシャへの資金流入は2012年の時点よりかなり減った。対ギリシャ債権はいずれ処理される。国から国へと波及する問題に関しては、分厚い防火壁が設けられた。欧州中央銀行(ECB)は、3年前のユーロ危機のピーク時よりも金融ストレスへの耐性を高めた。
■欧州の連帯、大きく損なわれる恐れ
ユーロ離脱がギリシャを立て直す最善の策だとの考え方はギリシャ以外の国で広がっている。新たな通貨を導入すれば、あらゆる債務と賃金の契約を一気に書き換えることができるからだ。一時的な困難は生じるかもしれないが、(ユーロという)間違った通貨に固執して先の見えないデフレにさいなまれることを思えば、それほど違いはない。ドラクマを復活させれば、ギリシャは再び金融政策を自国の手に戻せる。
これまで書いてきたグレグジットへの楽観は誤りだ。(ユーロ離脱で生じる)通貨の切り下げがギリシャに有利ならば、ギリシャはユーロに参加しなかったはずだ。