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[FT]韓国、強大国・米中の板挟みに

 [FT]韓国、強大国・米中の板挟みに

 

  「鯨同士のけんかで海老の背中が裂ける」とは韓国人が時折悲しげに口にすることわざだ。

  このことわざは、世界の強大国の間で身動きがとれなくなっている韓国の窮状に言及するのによく用いられる。20世紀初頭、ロシアと米国が日本による韓国の植民地化を黙認したことで、長年続いた不誠実な外交の時代が幕を下ろした。一世代を経た後、ロシアと米国の間の強い不信感が朝鮮半島を半分に分断した。

 韓国の朴槿恵大統領(左)と握手する中国の習近平国家主席(2014年11月10日、北京)=共同

 

  よって、韓国は中国と米国の戦略的抗争の真ん中で板挟みになる中で、その不快さを許容されるかもしれない。韓国にとって両国との関係は大変重要だ。中国は韓国にとって圧倒的に重要な最大の経済パートナーであり、また米国からの軍事支援のおかげで北朝鮮に対する防衛費が足かせとならずに済んでいる。

 ■二つの重要政策で注目

  しかし韓国は先週、両国の外交官を迎えた機会に、この二つの国との友好関係を両立させるという試練が注目された。両外交官の訪問は、韓国が米中により正反対の方向に引っ張られている二つの重要政策事項の決定に頭を悩ませる中での出来事だった。

  一つ目は「戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)」の問題だ。同システムは北朝鮮の核の脅威に対する盾として米国が韓国に提案しているものだが、中国は自国のミサイル攻撃能力を脅かすものだと懸念している。

  中国の劉建超外務次官補は先週ソウルを訪れた際にその懸念を口にした。時を同じくして、ラッセル米国務次官補もソウルで、まだ配備されていないシステムについて中国が「強く抗議する」ようなことがあれば、それは「興味深い」ことだと述べた。韓国はラッセル氏の発言に対していつになく率直な反応を示した。「近隣国が(ミサイル防衛システムの)今後の配備の可能性について意見を持つのはかまわない。だがそれが我々の安全保障政策に影響を与えることを意図したものであってはならない」と国防省はコメントした。

  この外交の三角関係で熱い議論を呼んでいる二つ目の問題は、米国主導の世界銀行と競合することになる中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に関する問題だ。韓国はAIIBへの参加について中国と協議を進めている。韓国の当局者はAIIBの統治基準や議決権などについて懸念を口にしてはいるが、韓国が参加しないとみる向きはほとんどない。

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