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【文化】漆掻き道具の継承に光、青森の職人に弟子 [15/04/02]
漆掻き道具:継承に光 青森の職人に弟子
【毎日新聞】 2015/04/02 12:10(最終更新 04/02 12:29)
漆の木から樹液を採るための漆掻(か)き道具が作れる全国で唯一の鍛冶職人、中畑文利さん(72)
=青森県田子町=の後継者を募集していた同町が1日、富山市出身の清水翔平さん(23)を非常勤特別職として
採用。国の「地域おこし協力隊員」の辞令を交付した。技術存続の危機は、ひとまず脱した。
金沢大大学院1年目でコンピューターの分野を学んでいた清水さん。「携わる人が少なく、こつこつと物作りを
続け技術の習得が実感できる」職を探していたところ、インターネットで後継者募集を知り「これしかない」と
飛びついた。大学院は中退。職人の道を選んだ。山本晴美町長から辞令を渡され「世界中に情報発信したい。
町に骨を埋める覚悟で参りました」とあいさつ。山本町長は「しっかり伝承してほしい」と励ました。
数種類ある漆掻き道具は形が複雑で、樹液を集める「掻き手」と呼ばれる職人のくせや要望に応じ刃幅や
曲がりを整える。中畑さんは中学卒業後、父の長次郎さん(故人)の下で修業を始め、1995年に国の
選定保存技術保持者に選ばれた。
農水省の統計では、国内の漆消費量のうち、国産は2.6%(2013年)と衰退。それでも田子町と隣接する
岩手県二戸市浄法寺町が6割以上を占め、この地域の掻き手約20人全員が中畑さんの道具を使う。
だが、中畑さんの下で6年間修業していた男性が昨年、町を去り、中畑さん自身も抗がん剤治療中。町が「町の
宝である中畑さんの技術を残したい」と、都市住民の地方への定着を促す「地域おこし協力隊」制度を利用して
後継者を募集。9人が応募し、面接などの結果、熱意を買われ清水さんが選ばれた。
辞令を受けたその足で中畑さんの工房を訪れた清水さん。「着任」を報告し「技術の伝承・保存に
努めていきたい。今からうずうずしています」と抱負を語った。中畑さんは「体の続く限り教えていく」と
喜んでいた。【塚本弘毅】
ソース: http://mainichi.jp/select/news/20150402k0000e040226000c.html
画像: http://mainichi.jp/graph/2015/04/02//20150402k0000e040226000c/image/001.jpg
(中畑文利さん(右)の工房を訪れ、「着任」のあいさつをする清水翔平さん=青森県田子町で2015年4月1日、
塚本弘毅撮影)
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