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「よそ者」活気もたらす 町民、刺激受け新事業
宮城県女川町をはじめ、被災地には復興目的でカネやモノが集まりやすい。ただヒトを動かすことはそう簡単ではない。利害関係が複雑に入り組む被災地の復興に必要なのは、突破力のある「よそ者」の存在なのかもしれない。女川町経済に活気をもたらす人々を追った。
新産業を育む拠点「フューチャーセンター」を整備する女川町。須田善明町長が「小松が言えば、計画の提案が通る」とまで信頼するのが、計画の中心にいるNPO法人アスヘノキボウの小松洋介代表理事(32)だ。
小松氏と女川の出合いは前職の会社員時代だった。2005年、地元仙台の大学を卒業し、リクルートに入社した。結婚情報誌「ゼクシィ」の営業に配属された。仙台を起点に松島から気仙沼の沿岸部を担当し、飛び込み営業で各地を回った。
リクルートでのキャリアは順調だった。営業は決して楽ではなかったが、着実に成果をあげる。26歳の時に最年少の拠点長として、青森に赴任した。休暇には自らを育ててくれた女川などに顔を出した。「田舎からたたき上げですが、もっと大きな市場で活躍します」と言って回ったという。
気持ち問い直す
東日本大震災の日、赴任地の札幌市内の自宅で、見慣れた風景が津波に飲み込まれる様子をみた。それからは時間をみつけては被災地に入り、以前の顧客である結婚式場やホテルを手伝った。被災地の悲壮な光景と札幌での楽しげな日常の違いに「気持ちが追いつかなくなっていった。自分は何がしたいのか」
気持ちの整理を手伝ったのが当時の上司だった。毎週1回相談につきあってくれたという。11年9月末に覚悟を決めて会社を辞めた。
「課題は現場に落ちている」とまず被災地をくまなく回った。宿泊施設の整備の必要性を感じ、各地に提案したとき、関心を示したのが女川だった。女川に絞って活動することを決意し、12年1月に女川町復興連絡協議会に唯一の「よそ者」として加入した。
いまでは町役場、商工会、都市部から女川復興に携わる人らが町経済の立て直しのキーマンとして元リク(リクルート出身者の通称)の小松氏の名前を挙げる。ただ怖い物知らずの行動派とはすこし違う。リクルートを辞める時、同社よりも入社が難しいと思う企業の採用試験を受けて内定を得た。「自信をつけたかった。結構、小心者なんです」と小松氏は笑う。
外からの力は、女川町民を刺激する。スペイン発祥の「スペインタイル」をつくるNPO法人みなとまちセラミカ工房。工房を立ち上げた阿部鳴美さん(53)は創業支援に力を入れていた小松氏の紹介で内閣府の創業支援金を知った。