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キヤノン、世界最大級のCMOSセンサで10等級の流星の広視野動画撮像に成功
キヤノンは9月15日、世界最大級の超高感度CMOSセンサを応用し、10等級相当の流星の広視野動画撮像に成功したことを発表した。今回の観測結果については、9月19日から22日に鹿児島大学で開催される、「日本天文学会2011年秋季大会」で発表される予定。
今回利用したCMOSセンサは2010年に開発されたもので、チップサイズは202×205mmという世界最大級の面積を有する(画像1)。直径約300mmウェハから製造できる最大級のCMOSセンサで、同社が製品化しているCMOSセンサ(デジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark II」などに搭載されている35mmフルサイズ・約2110万画素のCMOSセンサ)と比較すると、約40倍の大きさにもなる。肉眼ならまだしも、ビデオカメラなどにとっては非常に暗い満月程度の明るさである0.3ルクスの環境でも動画の撮影が可能という性能を持つ。
画像1。左がキヤノンが昨年開発した、世界最大級の面積を持つ超高感度CMOSセンサ。右は、同社が製品化している中では最大となるデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark II」などに搭載されている35mmフルサイズCMOSセンサ
それを、2011年1月に東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所の(画像2)シュミット望遠鏡の焦点面に搭載。約60コマ/秒の動画を撮影したところ、視野角3.3°×3.3°の広視野を実現し、10等級相当の流星の動画撮影に成功したという次第だ。
画像2。0.1~0.3ルクス程度の明るさの中、世界最大級の面積を持つCMOSセンサで撮影した、木曽観測所の観測ドーム
従来の観測技術では、7等級より暗い流星の検出は困難であり、10等級相当の流星の観測事例は年間でもわずかに10個程度。しかし、今回の撮影では、1分間の撮像記録の中から、従来の年間観測個数を超える数の10等級相当の流星を検出ことに成功したのである。
同社は今回の結果から、撮影された動画データの統計的な解析が進めば、流星が地球と生命の進化に及ぼしてきた影響について、理解が進むことが期待されるとした。また、上空を高速に移動する物体を高効率で探査可能なことから、流星以外にもスペースデブリや太陽系内移動天体の検出数が大幅に増大し、それらの位置と速度の測定精度も向上することが期待できるとしている。