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デュポンら、薄型両面ガラスタイプ結晶系Si太陽電池モジュールを開発
フジプレアムとデュポンは6月28日、従来型の結晶系Si太陽電池に比べ、約25%の軽量化を実現した薄型両面ガラスタイプの結晶系Si太陽電池モジュールを開発したことを発表した。
フジプレアムとデュポンが開発した軽量太陽電池モジュール
同モジュールは、従来の一般的な厚さ3.2mmのガラスとバックシート構造の太陽電池モジュールに対し、表面および裏面に厚さ1.1mmの薄板フロートガラスを採用したほか、封止材として従来のEVAに対し、デュポンの「PV5300」アイオノマーシートを採用することで、従来モジュールの9.4kg/m2から7.2kg/m2へと軽量化を実現した。
デュポンのPV5300とLCD用フロートガラスを用いて軽量化と耐候性を確保
また併せて、フジプレアムの精密貼合技術を活用することで、PV5300と薄型ガラスでSiセルおよび電気回路をラミネートすることに成功、荷重試験および衝撃試験をクリアする薄型両面ガラスタイプ太陽電池モジュールの実用化にも成功したことが明らかにされた。2010年中にフジプレアムより商品化される予定。
フジプレアムはPDP用光学フィルタやLCD用の偏光板フィルムなどの光学製品を多く扱ってきており、フィルタの貼り合せに関する高い技術ノウハウを有していることから、今回のモジュールが作製されたという
これまで太陽電池の軽量化モジュールとして、フィルムや樹脂を用いたものも発売されてきたが、いずれも耐久性に課題があった。今回、デュポンのアイオノマーを活用することで、それらの耐久性の課題を解決したという。PV5300は、デュポンが建材や自動車用安全ガラスなど向けに「セントグリス」という商品名で15年前ころより販売してきたもの。米国では、ハリケーン対策ガラスの中間膜や、グランドキャニオンのスカイウォーク(谷底まで約1200mの高さに張り出している足元がガラス張りの展望橋)の材料としても活用されているもの。対候性が高く、かつ高い強度と低いたわみが特長となっており、シーリングなしに活用することが可能となっている。
材料、モジュールともに強度、硬度、耐衝撃性などの試験では従来型と同等以上の性能を達成しており、この結果、従来型に比べ対候性を向上させながら、軽量化の両立を実現したという。
材料(PV5300)、モジュールともに各種試験に適合しており、性能面では問題ない
なお、デュポンでは、今回の取り組みについて、「ファーストステップ」としており、ユーザや建材メーカー、モジュールメーカーなどの意見を聞いて改良を進めていくとしているほか、フジプレアムとしても軽量化による建物への負荷軽減や架台などのシンプル化によるシステムコストの低減、対候性の向上による建材との一体化、といった利点を打ち出すことで、これまで重量などの問題により太陽電池を取り付けられなかった家屋や倉庫、店舗などの分野に向けたアピールを行っていくとしている。