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パナソニック、パワーオフモード搭載のスイッチング電源用PWM制御ICを開発
パナソニック デバイス社は8月29日、薄型テレビやPC、事務機器などの電源用に、待機時消費電力のゼロ実現に寄与するAC-DCスイッチング電源用PWM制御IC「MIP006」を発表した。2012年10月より量産を開始する。
AC-DCスイッチング電源用PWM制御IC「MIP006」
同製品は、電子機器からの信号によってパワーオフモードへ移行すると、スイッチング動作を停止し、電子機器への電力供給をゼロにする。また、パワーオフモード時でも動作する必要があるパワーオフモード制御回路の消費電流を最小限に抑えるために、パワーオフモード制御回路以外の回路への電流をすべて遮断することで、待機時消費電力を削減することが可能だ。
また、間欠発振時のトランス音鳴りを抑制するために間欠発振の周波数に揺らぎを持たせることで音鳴りを抑制する技術を確立。これにより、軽負荷時の間欠発振動作時の1パルスで流せる電流を大きくし、発振パルス数を低減できる新間欠発振制御方式を採用することが可能になった。この結果、軽負荷時のスイッチング損失を低減でき、従来の間欠発振制御と比較してさらなる軽負荷時の高効率化ができるようになった。
一方、コンセントからプラグを抜いた時、コンセントに直接つながるXコンデンサには電荷がたまっており、そのままプラグを触ると感電する可能性があるため、たまった電荷を放電する必要がある。今回、コンセントからプラグが抜かれたことを検出し、Xコンデンサを放電する機能を内蔵することで、従来必要であったXコンデンサ放電用抵抗を削除した。また、制御ICの電源端子(VCC端子)の定格電圧45Vを実現することで、VCC端子電圧の変動が大きい電源にも外付け部品なしで対応でき、電源設計容易化と小型化が可能になった。
具体的には、制御ICの待機時消費電流を従来比約94%削減するパワーオフモードを搭載することで、交流100V入力時の待機時消費電力3mW以下を達成し、電子機器の待機時消費電力ゼロの実現に寄与するという。また、コンセントに接続された電子機器が電源オフになっている場合に、PWM制御ICのパワーオフモードの消費電流を従来品の200μAから12μAまで削減した。交流100Vを入力した時のスイッチング電源の待機時消費電力では、3mW以下を実現しており、電子機器の待機時消費電力ゼロにすることが可能となった。
さらに、電子機器の通常動作時の効率80%以上を達成。特に高出力電源で高効率化が難しい、入力電力0.5Wの軽負荷時の電源効率80%以上を実現した。同製品は0.5~200Wクラスまでこの制御IC1つで対応可能になるため、サブ電源を使用する必要がなくなり、シンプルな電源構成が実現するという。
なお仕様は以下の表の通り。
「MIP006」の仕様