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ペンギンにカメラ設置し動画撮影

 

  情報・システム研究機構国立極地研究所は、南極のアデリーペンギンに小型ビデオカメラを取り付け、ペンギンが海中でエサをとる様子をペンギンの視点から観察することに成功した。長時間にわたる記録した頭の動きを分析することで、ペンギンがいつ、どこで、どのようなエサを捕えていたかを初めて把握することができたという。これらの動画はホームページのプレスリリースで見られるほか、ダウンロードも可能だ。

 撮影調査は、第52次日本南極地域観測隊に参加した同研究所・生物圏研究グループの渡辺佑基助教らが、2010年12月から翌年2月にかけて、昭和基地の近くの「袋浦」と呼ばれるアデリーペンギンの営巣地で行った。14羽のペンギンの背中に、防水テープを使って小型ビデオカメラを取り付け、さらに頭部には頭の動きの記録計を取り付け、数日後に回収してデータを解析した。

 その結果、ビデオ映像にはオキアミや魚を捕えるシーンが多数映っていた。魚はほとんどが、いつも海氷のすぐ下を泳いでいるという変わった生態をもつ「ボウズハゲギス」だった。ペンギンは約85分の記録時間の間に、オキアミを244匹、ボウズハゲギスを33匹も食べていた。オキアミの群れに遭遇したときは、目にもとまらない速さで1秒あたり2匹も捕えていた。

 これらのエサ取りのタイミングと頭の動きのデータを照合したところ、両者はよく一致し、ペンギンがエサを捕まえるときは必ず頭を強く振るので、そのシグナルが記録されていた。ビデオ映像がなくても、頭の動きだけからエサ取りの行動を検出できることが分かったという。

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