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将棋電王戦の指し手は“成り”もできる「電王手さん」に
ドワンゴ、日本将棋連盟、デンソーは2015年3月5日、2015年3月14日~同年4月11日にかけて開催する「第4回将棋電王戦」に、デンソーが協賛することを発表した。併せてデンソーの子会社デンソーウェーブが提供する産業用ロボットアーム「電王手さん」を“指し手”として採用したことを明らかにした。
将棋電王戦は、ドワンゴと日本将棋連盟が主催する、現役プロ棋士とコンピュータソフトとの真剣勝負だ。第1回は(故)米長邦雄永世棋聖と第21回世界コンピュータ将棋選手権優勝ソフト「ボンクラーズ」が対局。第2回は、選抜された5人のプロ棋士と、第22回世界コンピュータ将棋選手権の成績上位5チームによる団体戦が行われた。また昨年の第3回も同様の方式で行われたが、いずれもコンピュータが勝利を収めている。
第1回、第2回の電王戦では、コンピュータソフトの指し手を人間が代理で指すスタイルだったが「人間対機械」の構図をより分かりやすく示すために第3回では初めて“指し手”としてデンソーウェーブの産業用ロボットアームをベースに開発された「電王手くん」が採用された。今回はロボットアームを、医薬・医療用ロボット「VS-050S2」に変え、新たな工夫を加えることで、より円滑な対局が行えるようにしている。
●今回は金ぴかで“成り”もできる
新たに開発された「電王手さん」の最大の特徴は、将棋の駒をグリッパー(指の役割)でつかみ“成り”の動作を実現できるようにしたことだ。前回の「電王手くん」はコンプレッサーによる吸着式のアーム先端を持ち、駒をコンプレッサーで吸着して移動させる方式で“成駒”の動作を行う際には、一度駒を吸い上げて、専用の反転台に置き、反対面に吸着し直してから盤上に置くという動作が必要になっていた。
しかし、「電王手さん」では新たにハンド部分の開発を行い、駒をアーム先端のグリッパーで挟み、隣の駒に触れることなく移動や“成り”を行うことが可能になったという。同社によると「『電王手くん』のベースとなった産業用ロボットアームでもハンド部分を入れ替えることで実現することは可能だったが、ロボットに将棋を指させるということが初めてだったのでより安定した方法を取ることになった。今回は2度目なので、より自然な対局を実現できるようにチャレンジした」(デンソー広報担当)としている。
また、今回のベースとなった医薬・医療用ロボット「VS-050S2」は、デンソーとして初めてグッドデザイン大賞を受賞した製品だ。医薬・医療用として、滅菌や洗浄のための過酸化水素ガス(VHP)で腐食しないように金属アルミニウム製とした一方で、バクテリアの温床になり得る表面の細かい凹凸を無くすため、表面のアルミニウムは滑らかに磨き上げ、高品位なデザイン性も実現したことが特徴となる。同製品を“指し手”としたことについては「見た目のインパクトもあり、デンソーにとってもグッドデザイン大賞を初めて取った製品ということで『ぜひVS-050S2でいきたい』ということになった」(デンソー広報担当)。その他の認識技術や安全技術などは基本的には前回の「電王手くん」から引き継いでいるとしているという。