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強い衝撃、パニックの機内「死ぬかと」 アシアナ機事故

強い衝撃、パニックの機内「死ぬかと」 アシアナ機事故

広島県三原市の広島空港で14日夜、韓国から到着したアシアナ航空機が着陸に失敗し、多数の乗客が負傷した。突然の事故に夜の空港は騒然となった。

【写真】救急隊に付き添われ、救急車に乗り込む乗客=14日午後10時3分、広島県三原市の広島空港、青山芳久撮影

 到着ロビーにいた広島市佐伯区の会社員、岡崎みどりさん(52)は友人2人と旅行に行った帰りだった。出発前から「乱気流のため揺れます」とアナウンスがあり、不安だったという。

 「離陸して30分後に機体が上下に揺れ始めた。大丈夫かと不安に思いながら着陸すると、すぐに機体がガタガタと揺れ、強い衝撃がきた。思わず頭を抱えた」

 機内では「きゃー」という叫び声がし、外を見ると機体の翼のエンジンから炎と煙が見えて、機内がきな臭くなったという。

 「爆発するんじゃないかと思って死ぬかと思った。脱出して地面に足をつけたときは、本当によかったと思った。荷物は機内にあって、持ち出すことができなかった。これからどうしていいのか困惑しています」

 一緒に旅行した広島市東区の女性(55)は「着陸前からガタガタ揺れていて、地面についた後も何度かバウンドした感じだった」と証言。「止まった後に前方から煙が来て、上からマスクが落ちてきて焼け焦げたようなにおいがした。乗客の男性が『頭を抱えて!』と叫んでいた。客室乗務員もパニックになって、『扉が開かない、開かない』と言っていた」と緊迫した機内の状況を語った。

 2人と帰国した広島県廿日市市の女性会社員(58)は「天気が悪いから揺れるなあとみんなで言っていたけど、こんなことになるとは。揺れていたときは本当に死ぬかと思って、手が震えました」と話した。

 広島市中区の女性(29)は機内8列目に乗っていた。着陸の10分ほど前から機体が大きく下がったり、細かく揺れたり、ガタガタ揺れたりしていた。雨が激しく窓に打ち付けていた。着陸の際、大きな音と衝撃とともに電気が消え、叫び声が上がった。煙の臭いが充満し、乗員からも叫び声が聞こえたという。非常口が開き、外の草むらへ脱出した。「無我夢中で、ほかの人を助ける余裕はなかった」と語った。

 広島空港内にあるレストランの男性店員(40)は午後8時半ごろ、店内やロビーに流れた放送で事故を知った。店内の窓から滑走路周辺の様子を見てみると、アシアナ機の周りにライトをつけた緊急車両4、5台が暗闇に浮かんでいた。

 広島空港ビルディングの男性職員は「事故で滑走路が閉鎖されて、他の飛行機の乗客は次々に空港から引き揚げた。売店も閉じている。緊急車両が4、5台来ているのが見えたが詳しいことはわからない」と話した。

 広島地方気象台によると、事故があった午後8時ごろは雨がふり、広島空港周辺で霧がかかっていた可能性が高いという。

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