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日本のロケット開発の原点…惑星の名になった市

 日本のロケット開発の原点…惑星の名になった市

 東京都国分寺市内で国内初のペンシルロケット水平発射実験が1955年に実施されてから、今年で60年を迎える。

  同市は節目の年を記念してペンシルロケットの実機展示や、当時を知る関係者による講演会などのイベントを企画。2月に小惑星「Kokubunji(コクブンジ)」が誕生したことも弾みに、「宇宙開発発祥の地」としてPRに乗り出す。

           ◇

  同市などによると、初めての実験に用いられたペンシルロケットは全長が23センチ、直径1・8センチ、重さは200グラムしかなかった。あまりに小さな本体のため、この名が愛称になったとされる。

  実験したのは「日本の宇宙開発の父」と呼ばれる糸川英夫博士(1999年死去)が率いた研究班。現在は早稲田実業学校の敷地となっている同市本町の工場跡で行われた水平発射実験では貴重なデータが得られ、日本のロケット開発の原点とも位置づけられている。

  こうした歴史を踏まえ、国分寺市は「宇宙開発発祥の地」として街を盛り上げようと力を注ぐ。4月11~19日には、市内の本多公民館で個人や国立科学博物館などから借り受けたペンシルロケットの実機約15体を展示予定。公開実験が行われた日から60年にあたる同12日には、午後1時半から早稲田実業学校・小室哲哉記念ホールで記念講演会も開く。

  当日は宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))の的川泰宣・名誉教授をはじめ、実験を見守ったカメラ班のメンバーや発射台の担当者を迎えて当時を振り返ってもらうほか、ペンシルロケットの発射音の再現なども行う。

  一方、小惑星の命名は、小惑星の観測を行うNPO法人「日本スペースガード協会」(渋谷区)が昨年、国分寺市の市制施行50周年に合わせて国際天文学連合(IAU)に申請していた。

  この惑星は同協会が2000年に発見した。直径は約4キロ・メートルと推定され、約4年2か月で太陽の周りを回るという。今年2月にIAUから正式に認められたことで、国分寺市も街のPRの弾みになると期待を寄せている。

  記念講演会は参加無料。問い合わせ、申し込みは電話で同市市政戦略室(042・325・0111)へ。申し込みはメール(senryaku@city.kokubunji.tokyo.jp)でも可能。締め切りは13日午後5時。市外からの参加申し込みは9日から受け付ける。

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