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東陽テクニカ、Agilentの測定環境を監視できる走査型プローブ顕微鏡を発表
東陽テクニカは12月4日、米Agilent Technologiesの測定環境をモニタリングできる走査型プローブ顕微鏡(SPM)「7500型SPMシステム」を発表した。
SPMは、表面観察・物性評価装置として、高分子やセラミックスなどの材料研究分野や半導体、電子デバイスの研究開発・品質管理・故障解析、溶液中における生体試料の観察などに至るまで、幅広く利用されている。SPMの多くは大気中で利用されており、主に空調管理された部屋に設置されている。しかし、実験中の測定環境はモニタされておらず、試料表面の形状や物性が変化しても、それが試料自体によるものなのか、測定環境の変化によるものなのかが曖昧だった。
この曖昧な点を明確にするため、「7500型SPMシステム」には測定環境を整えるための環境チャンバと、測定環境をモニタする湿度・温度センサを標準装備した。これにより、SPMによって得られた測定結果が試料由来なのか、もしくは湿度や温度などの測定環境によるものなのかを判断しやすくなり、より定量的な表面分析が可能となる。また、湿度などを制御しながら試料表面の変化を捉えることができ、試料の環境依存性を評価することも可能となっている。
「7500型SPMシステム」では、-30℃~+250℃の範囲で、試料を加熱・冷却させながら表面形状や物性測定を行うことができる。従来型のSPMでも試料の加熱・冷却機能はあったが、試料温度を変える場合、装置本体の熱ドリフトの影響から短時間での実験が困難であり、それを軽減するために真空環境下で使われることが多くあった。これに対し、「7500型SPMシステム」では、大気圧下での加熱・冷却試験が可能なため、実環境に近い状態で測定できる。
また、新たに専用SPMスキャナが採用された。フレクシャー構造の新型スキャナは、走査範囲90μm、高さ追従範囲12umと広域スキャンにおいて0.5%以下の測長精度で測定できる。ノイズレベルも0.03nm以下にまで抑えることに成功し、マイクロメートルから原子像観察までの観察を1つのスキャナで行うことができる。
さらに、形状や電流、磁気力、表面電位、摩擦力などの物性イメージングをプローブ周りのアクセサリを交換せずに行うことが可能。それ以外の測定モードオプションもワンタッチで装着できるため特別な技量は必要としない。加えて、新型スキャナには、将来の機能拡張も考慮したモジュラーデザインが採用されているので、購入後もユーザのアプリケーション変化に柔軟に対応することができる。この他、液中・ガス中・大気中のすべてにおいて優れた安定性を有する他、オプションとして電解液制御機能が用意されている。密閉チャンバー内で有機蒸気環境下の材料評価もできる。
なお、価格は3500万円(税別)から。すでに発売を開始している。
東陽テクニカが提供を開始した米Agilentの走査型プローブ顕微鏡「7500型SPMシステム」