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脳活動で夢解読!?

 

 睡眠中のヒトの脳活動を計測することで、見ている夢の内容をある程度解読することに、株式会社「脳情報研究所(ATR)」神経情報学研究室の神谷之康室長らと奈良先端科学技術大学院大学、独立行政法人・情報通信研究機構のグループが成功した。米科学誌「サイエンス(Science)」(オンライン版、4 日)に発表した。

 成人の男性3人の協力を得て、睡眠中の脳活動を「機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置」で測定した。夢見と強い関連があるとされる脳波のパターンが生じたタイミングが出たら起こして、直前まで見ていた夢の内容を報告してもらい、また寝てもらうという作業を繰り返すことで、1人あたり約200 回分の夢と脳活動のデータを得た。

 これを基に、「本」や「クルマ」など、夢に出てくる約20の一般的な物体の画像を起きている3人に見せて脳活動のパターンを調べ、このパターンからどんな画像を夢見ているかをコンピュータで推定するプログラムを作った。実際に、睡眠中の脳活動データから夢に出てくる物を推定したところ約7割が当たったという。

 さらに夢を当てるには、目覚める直前(0-15秒前)の脳活動データを用いた方が確率の高いことが分かった。それ以前の夢では、内容が忘れ去られているためらしい。また、脳活動のデータとしては、大脳の後頭葉から側頭葉にかけて広がり、とくに物体画像に対して強い活動を示す高次視覚野を用いた場合に高い精度が得られることが分かったという。

 今回の研究成果は、自発的に生じる脳活動の機能の解明やブレイン-マシン・インターフェース、心理状態の可視化などに応用でき、想像や幻覚などを解読することで、精神疾患の診断にも貢献できるのではないかという。

 研究は、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラム課題A「日本の特長を活かしたブレインマシンインターフェースの統合的研究開発」、日産科学振興財団の支援により行われた。

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